しかし石田氏は、「やっぱり納得できない。後援会の皆さんと相談しながら、明日には決めたい」とコメント。今度は茨城県の選挙管理委員会に異議を申し立てると、誰も予想すらしなかった“まさかの事態”が発覚し、石田氏の逆転勝利となった。
その決め手が、投票用紙に書かれた「だんごさん」と「まんじゅうや」。実は木内市長の親族は和菓子店を経営している。そのためか「だんごさん」や「まんじゅうや」とだけ記載された2票があり、県の選管は「無効」と認定したのだった。
茨城県選挙管理委員会の星野学委員長は、「『だんごさん』『まんじゅうや』が木内氏の通称として、広く使用されていると認めるに足りる証拠はないことから、“無効”と判断せざるを得ないとの判断に至った」としている。
一方、石田氏にも1票の無効票が新たに認定されるも、石田氏が1万6723票、木内氏が1万6722票と、今度は石田氏が1票上回る結果に。市長に就任した木内氏の当選を無効とする裁決を下した。
しかし最初に点検した市の選挙管理委員会では、「だんごさん」も「まんじゅうや」も木内氏と認定したはずだ。なぜ覆ったのか、市の選挙管理委員会に取材すると、「なるべく票を無駄にしたくないという思いがあり、『まんじゅうやは木内候補で問題ないよね?』と合議のうえで、有効票だと判断した。立会人にも伝えている。神栖市の事例ではないが、過去に投票用紙の名前の欄に、職業を書いて有効票となった事例も参考にした結果、市では有効票とした」と説明。なお、有効か無効かの最終的な判断は、各自治体に委ねられている。
木内氏は「私は生まれてからずっと、まんじゅう屋のせがれ。なぜ認められないのか、やはり分からない。小さい時から『まんじゅう屋の敏之』とか、『まんじゅう屋さん』とか呼ばれていて、今でもそういうふうに呼ばれている」と反論した。
木内氏が力説したように、神栖市民は本当に市長を「まんじゅうや」と呼ぶのか。木内氏の実兄が代表を務める、明治34年創業の「木内製菓」に打診すると、担当者は「現在対応できるものがおりません。会社の紹介に関してもお断りするように言われております」との返答だった。
市民たちは「まんじゅうや」と呼ぶ?
