退職代行で “辞められない”トラブル増?利用者急増も約3割の企業がスルーする理由とは?弁護士が退職代行ブームの問題点を指摘「医師の資格がない人に手術をお願いするようなイメージ」

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◾️民間と弁護士・労働組合の違い…法律行為の可否

 退職代行には運営元別に種類があり、できることが異なる。民間企業の場合は依頼者の代わりにはなれず、会社と交渉を行うことができない。会社側が退職代行会社とのやり取りを拒否した場合は、退職に失敗するケースもあるという。

 一方、弁護士・労働組合が運営している場合は、依頼者の代わりとなって会社との交渉をすることが法律で認められており、会社側がやり取りを拒否できないため、退職を適切に完了させることが可能だ。料金相場は民間の方が安い傾向にある。この違いについて、三輪氏は次のように説明する。

「私たち弁護士が国に認められて業務をやっているのは、まさに本人の代わりに意思表示をしたり、本人の代わりに権利関係について交渉できる特徴がある。一部の業務に関しては労働組合や司法書士などの他士業ができる場合もあるが、基本的に法律事務に関わる交渉や権利関係を動かすことに関しては、代理人になれるのは弁護士しかいない。民間などの弁護士じゃない人にそういった行為をしてもらうことが“非弁”になる」(三輪氏、以下同)

 弁護士法違反となる「非弁行為」は、第七十二条で「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない」と定められている。

 そのため退職交渉が嫌だからと民間企業に頼んでも、代わりに交渉してもらうことはできないということだ。

「退職は意思を伝えた後も、残りの給与の問題や退職日をどうするか、貸与物があったらそれをどうするかなどいろいろなやりとりが発生する。しかし、弁護士でないとそういったやり取りを代理として行うことはできない。だから民間企業の行う退職代行は非弁行為として違法である可能性が高いため、そういった違法行為には対応しないという企業が出てくるのは当然の流れ」

「現時点では民間事業者からの通知に対しては『取り合わない』としている企業が3割程度だが、これからそういう企業が増えてくるのではないかと思っている」

「無資格者に手術をお願いするようなイメージ」利用者のリスク
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