◾️「無資格者に手術をお願いするようなイメージ」利用者のリスク
2026年2月には、有名な民間の退職代行サービスの社長らが、弁護士資格がないにもかかわらず、退職を希望する利用者に紹介料名目で弁護士をあっせんしていたとして、弁護士法違反の罪で逮捕、起訴される事件が起きた。
「退職代行ブームが起こってから、この事件に発展するのは予見していた。起こるべくして起こった事件だと思う。これは違法な事業をしていた人が悪いのはもちろんだが、利用者にも被害が生じるような類型だということが知られるべきだと思う」
「退職代行に自分ができないことを頼んだつもりでも、自分の権利が守られていないケースもかなりあったのではないかと思う。例えば、交渉ができないので、本当は残りの給料を支払ってもらって当然なのにその支払いが受けられなかったとか、退職金が本当はもらえるはずだったのにもらえなかったこともあったかもしれない」
そういった民間の退職代行業者に依頼するリスクについて、三輪氏は次のように例えた。
「非弁問題に関しては自分のYouTubeでも発信をしているが、難しくてなかなか届いていないと感じる。非弁行為はどういうことかというと、医師の資格を持っていない人に手術をお願いするようなイメージ。民間で安いからと無資格の人に手術をお願いしますか?ということ。手術だったら物理的に痛いとわかるが、権利問題は本当の痛みを感じにくい部分もあるので、価格が安い(資格がない)方がいいと思って頼む方がいるのだと思う」
退職代行業者を利用して一時的に救われる消費者がいる一方で、権利問題が軽視される懸念もある。
「大量に広告を出して、大量に受けて、一部は成功する。確かにニーズには応えている。しかし、泣いている人もいる。消費者は個々で退職代行業者に頼んで良かったという人はいるかもしれないが、全体で見ると、法律上のルールが軽視されていることであったり、自分の権利をないがしろにされていると気づかないことが起こる」
安いからと安易に民間の退職代行に頼るのではなく、自分の正当な権利を守るためにも、その仕組みとリスクをしっかりと理解したうえで利用を検討する必要がありそうだ。
(『わたしとニュース』より)
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