3カ月スパンで駐在する気象庁職員たちの生活
南鳥島に駐在経験のある気象庁職員の鈴木博樹氏と坂本親仁氏に話を聞くことができた。鈴木氏は今まで3回、坂本氏は18回も島に駐在し、気象観測に従事している大ベテランだ。
「朝は7時半から仕事を開始して、高層気象観測を行う。気球観測が朝の8時半と夜の8時半にあるので、その時間帯は勤務している。高層気象観測が終わったら、地上気象観測のメンテナンスをして、日中を過ごして、ちょっとその間休みがあって、終わった後にまた高層気象観測をする。終わるのが夜」(坂本氏)
南鳥島で行われている気象観測は主に2つ。ゴム気球で上空およそ30kmまでの風向風速や気温などを観測する「高層気象観測」と、地球温暖化に影響がある温室効果ガスなどを観測する「大気環境観測」だ。観測データは瞬時に気象庁に送られるが、気球を使った観測のため、今でも人の手を使って行わなければならないそうだ。また、津波の観測なども行っており、2010年チリ中部沿岸地震の際には、日本に到達する津波をいち早く観測した。
滞在は常時10名で、観測と施設維持の2班が合同で行っている。それを1人3カ月滞在のスパンで交代し行っているのだという。
では、島での生活はどんなものなのか。「地上波のテレビとかは映らない。今はインターネットが接続できる。容量制限があって内地のように無制限に使えるわけではないが、インターネットを使ってニュースとか動画は見ることはできる。以前はテレビ番組を録画したビデオをまとめて持って行ってそれを見たり、新聞なんかも1週間に一回運ばれてくるので、それを見るぐらい」(坂本氏)
他にも島内では真水が取れないため、雨水や海水をろ過して使用。そのため常時節水を心がけているという。
「1日休みの時もある。その時は海岸を散歩したり、島内道路をジョギングしたり、あとは釣りをしたりとか。海水浴は危険なので、一人では禁止です。周りが流れが早い。あまりリーフもない。流されることがあるので一人で泳がない」(坂本氏)
南鳥島を横から見るとまさに山。日本海溝の底からは高さ約5500mと富士山よりもはるかに高い。南鳥島はその山頂部分が海面から少しだけ見えているにすぎない。
3カ月目に入ると駐在も精神的に限界を迎えるそうだが、それでも島の風景は忘れることのできない貴重な思い出なのだそう。
「日の出と夕日は毎日見ても飽きない」(鈴木氏)
「星空も綺麗です。手で届くんじゃないかなっていうくらい明るい」(坂本氏)
「1000kmは遠い場所ではない」
