少子化を加速?不公平の解消?会社員らの健康保険「被扶養者制度」見直し提起に賛否の声… 専門家「専業主婦世帯と共働き世帯、独身の人との不公平感の問題も当然ある」

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被扶養者制度の背景と実際の加入者数は…

被扶養者数
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 高度経済成長期の名残ともいえる被扶養者制度。制度と時代のズレについて、教育経済学者で慶応義塾大学教授の中室牧子氏に聞いた。

「この制度の趣旨は戦前の『銃後の守り』だったと言われている。つまり、前線で戦っている兵士を支えなければいけない、その家族が国内で生活や子育てを安全にできるようにということだが、明らかに現代に合わなくなってきている。働き方や家族の形態が非常に多様化する中、会社員の夫がいて専業主婦の妻がいるという特定の家族の形態だけを優遇する制度を続けるのは、公平性と制度維持の観点からは望ましくなくなってきたので、今ここで新たな制度について検討を始めようということだ」(中室牧子氏、以下同)

 では、なぜこのタイミングでの問題提起なのか。中室氏は次のように分析する。

「経済団体は、年金も含めて、早期に見直しをした方がいいとずっと言ってきた。ただ、年金を見直すと健保の見直しも必要になり、そして税も…と波及していく。社会保障一体として制度改革をしなければならないとなると、なかなか重たい課題であるし、国民から反対の声があがるかもしれないので、政権の基盤が弱い中ではなかなか本腰を入れて取り組むことができなかった。ただ、今、与党は過半数を得て、ようやく安定した政権基盤ができたので、難しい問題にも正面から取り組もうかなという機運が出てきたと私は見ている」

 では、「被扶養者」はどのくらいいるのか。協会けんぽ、健康保険組合、共済組合の加入者は約7700万人となっており、うち被扶養者は約2970万人、約4割にも上っている。中室氏は保険料を支払っている被保険者が不公平を感じる点について指摘する。

「仮に同じ所得であったとしても、会社員の配偶者かどうかということで保険料負担が変わる仕組みになっているところがやはり不公平と言われる最大のポイントだと思う。専業主婦世帯と共働き世帯の間の不公平というのもあると思うし、専業主婦世帯と、あとは単身の独身の働いている人との間での不公平感の問題も当然ある」

「医療だけでなく経済全体の問題」社会保険料の負担を感じる理由
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