安定供給に向けた措置だというが、物量的に足りていたとしても、流通面で別の問題が浮上してくるようだ。
「政府は『大丈夫です』『量はあります』『確保しています』と言ってはいても、流通の目詰まりがそれだけ深刻になっていることをまさに示している。私自身も実際、ナフサが足りないと言われる中で、家の修繕を頼んだら『最低でも3週間は待ってください』と言われてしまった。本当にいろいろなところに影響が及んでいる」
現在ガソリンには補助金が出ているが、ナフサにはない。そうした状況下で、人間の意識がさらなる目詰まりを起こす可能性もあるという。
「何が問題になっているかというと、大きく2つあると思っていて。原油からナフサ、ガソリン、いろいろな石油製品ができるわけだが、ガソリンには補助金を出しているけどナフサには特にない。精製する企業はガソリンを作る方にやっぱり傾けたい。ナフサを作るともしかしたら収益が上げにくくなるかもしれないとなると、よりナフサ不足になりやすいと思う。だから、補助金を出すなら全部に出すのかやめるのかという方が実は効率的かもしれない」
「まさにこういう状況になってくると、どの大企業も中小企業も、そして個人も今のうちに生活が回るように『在庫を抱えなきゃ』と思い、また目詰まりしやすくなる。みんなが『そうなるかも』と群衆行動が起こるかもしれないことが大きく影響している」
政府はパニックを防ぐため、「印刷用インクあるいはナフサについて現時点では直ちに供給上の問題が生じるとの報告は受けておらず、日本全体として必要な量が確保されている」(佐藤啓官房副長官)と訴え続けている。高市早苗総理は原油の安定供給に関して「各国から代替調達を通じて、原油も石油関連製品も日本全体として必要となる量は確保できている」と発信している。
「例えば日本と同じぐらいの備蓄量がある韓国はもうすでに節約要請をしている。でも日本は『足ります』と言ってきて節約要請しなかったのに、今要請したらより一層パニック買いにつながりかねない。だから、もし今言わなくてはいけないと思っていても言いにくい状況だと思う。今日本で起きているのは、大手がこのような白黒パッケージを発表したことによって、企業も個人も自主的に節約モードになりつつある」
「目詰まりを止めるために行政がグッと入ると、それはそれで『本当にないのか』とパニックが起こるかもしれないので、政府も八方塞がりになっているのかもしれない」
(『わたしとニュース』より)
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