
株安、円安、債券安の“トリプル安”となっています。
【画像】異例の上昇 一時2.8%に…長期金利 約29年ぶり高水準 原油高で財政悪化も 政府は
18日の日経平均は、一時、1000円以上、値下がり。先月末の為替介入で、一時、155円台をつけたドル円相場も逆戻り。そして、長期金利は上昇。10年物の国債利回りは、一時、2.8%にまで上がりました。

長期金利が2.8%をつけるのは、1997年5月以来、29年ぶりのこと。ただ、金利が下降傾向にあった当時と、上昇トレンドの現在とで経済状況は異なります。
1997年といえば、消費税が3%から5%に引き上げられたとき。日本経済が、バブル崩壊後の処理に苦しみ、金融機関が相次いで破綻。その後のデフレ経済、“失われた30年”の沼に陥っていった時代です。

現在、パリでは、G7各国の財務相と、中央銀行の総裁らが一堂に会しています。
最大の懸案は、イラン情勢。原油価格の高騰による長期金利の上昇は、日本に限ったことではありません。
攻撃開始から、間もなく3カ月。双方譲る気配はなく、ホルムズ海峡の封鎖が、解ける道筋は見えないままです。
トランプ大統領は、攻撃再開を匂わせ、原油高騰に拍車をかけています。
IMF=国際通貨基金は、先月、原油高が続けば、今年の世界経済の成長率は、世界不況の目安とされる2%にまで落ち込むと警告しました。

IMF ゲオルギエバ専務理事
「(Q.債券市場に懸念は)動きを注視しています。重要なのは、明確な政策があること。事態を悪化させるような措置は取らないでほしい」
この状況に日本はどう対応するのでしょうか。
高市総理が検討しているのが、補正予算案の編成です。

高市総理
「中東情勢に伴う燃料輸入価格の上昇が、電気料金に反映される可能性がある。使用量が多くなる夏場、つまり7月から9月において、昨年夏の料金水準を下回るような支援を行うべく、与党の政調会長間で早急に具体案をまとめるようにお願いします」
1リットル当たり40円ほど引き下げているガソリン代の補助も継続する方針です。
財政悪化への懸念が、長期金利を上昇させる一因となっています。
G7の会議に臨む片山財務大臣。

片山さつき財務大臣
「(Q.長期金利が高騰している)あらゆるリスクを最小限にするよう、総理から指示をいただいている。本日、中東情勢も含めて、いろんな議論があると思う。そういったことも考えながら、リスクの最小化に向け対応していく」
◆長期金利上昇の影響について、野村総研エグゼクティブエコノミストの木内登英さんに聞きます。
木内さんは「経済にとってデメリットが大きい」と話します。
どのようなデメリットがあるのでしょうか。各分野でみていきます。

【家計】
固定型住宅ローンの金利が上がります。変動型と違い、固定型の住宅ローンは長期金利と連動しています。今後、固定型を借りる際に返済額が増えるといいます。
【企業】
企業の新規借り入れの際に、これまでよりも利払いの負担が上がります。設備投資の見送り、企業収益を圧迫。その結果、雇用を減らす、賃上げを見送るなどの動きが起こる可能性があるといいます。
【市場】
株価へのマイナスの影響があるといいます。企業業績が悪化して株価が下がる。株を売却し、国債を買う動きが広がることによって、株価が下がる可能性があります。

木内さんは「今回の長期金利上昇は、原油高が最大の要因。今後も原油高による価格上昇の影響が幅広く続くと市場は見ていて、原油がさらに上がると、長期金利は、さらに上がる可能性が高い。たとえ、原油価格が下がったとしても、そこから物価の安定が見えてくるにはタイムラグがあるので長期金利の高止まりはまだまだ続くのではないか」と話をされていました。
