
アメリカの隣に位置するキューバは、トランプ政権によって石油の供給が絶たれ、首都・ハバナでは電気が“1日に2~3時間”しか使えない状況が続いています。キューバへの兵糧攻めを続けるトランプ政権は、30年前の事件をめぐってラウル・カストロ元議長を起訴し、社会主義体制の転換へと一気に圧力を強めています。
【画像】カストロ元議長を“30年前の事件”で起訴 キューバへ圧力強めるアメリカ 市民困窮
カストロ元国家評議会議長 起訴

トランプ政権が出した起訴状。2021年までキューバの事実上のトップだった、ラウル・カストロ元議長に対するものです。
アメリカ ブランチ司法長官代行
「30年前にアメリカ国民の殺害を共謀した容疑でラウル・カストロらを起訴しました」
カリブ海の島国キューバは社会主義体制を維持し、国交正常化後も反米の旗印を降ろしてはいません。

キューバ ラウル・カストロ議長(2018年当時)
「トランプ大統領は就任して以来、キューバとの関係を悪化させている。
ただ、政治弾圧による人権問題も抱えています。そんなキューバに対する敵視政策をトランプ政権は強めてきました。

アメリカ トランプ大統領
「ベネズエラでも大成功を収めた。“力による平和”のためには軍を使わねばならん時がある。ちなみに次はキューバ…」
ホワイトハウス声明(20日)
「西半球は我々のものだ。ここの安定を揺るがし、アメリカを脅す者は必ず報いを受ける」
中でもルビオ国務長官は、亡命キューバ人の息子で“最強硬派”です。同胞たちに対しては…。

アメリカ ルビオ国務長官
「“政府”が果たした唯一の役割は、犠牲を払わせ続けることだけです。トランプ大統領は両国関係に新たな道を提示します」
石油のない社会 生活に影響甚大
アメリカの対キューバ政策は今、新たな段階に進もうとしています。海上封鎖に近い措置が取られ、空母も近海に派遣されました。

アメリカ トランプ大統領
「あの国は崩壊寸前で、石油もなく破綻している。先のことは言えないが支援はする。キューバを解放していく」
(Q.事態は緊迫するでしょうか)
「キューバと緊迫化?いや、その必要はない」

首都ハバナ。信号は消え、ガソリンスタンドに車の姿はありません。これまではベネズエラからの石油に依存してきましたが、アメリカによる1月の攻撃でそれが断たれました。最後のタンカー入港が確認できたのは3月。電力が供給されるのは1日あたりわずか2~3時間程度です。物価は跳ね上がり、ただでさえ貧しい暮らしが、さらなる困窮へと追い込まれています。

キューバ人
「皆でこの状況を何とか耐えて、暮らしを維持しようとしています。ここで墓に入りたい。誰にも私をここから連れ出すことはできません」
「彼らは毎日キューバを非難し、攻撃するための口実を出してくる」
夜になると、人々は回収されなくなったゴミを燃やし、街灯がわりにします。
CNNハバナ支局 パトリック・オプマン支局長
「緊張が高まる中のアメリカとの交渉で大幅な譲歩を迫られていますが、市民の暮らしに余裕はありません」
兵糧攻めに加え、元国家元首の起訴。アメリカの意図はどこにあるのでしょうか。

キューバ ディアスカネル大統領
「キューバ国民の窮状を心配するならば、アメリカが制裁を解除すればいい。キューバ国民が直面している問題は、長期間の制裁から来ているのだから。アメリカのやっていることは体制転換をもくろむだけでなく、地域を不安定化する行為だ」
