■次々生まれる政治サークル
関東・関西を拠点に約80人が参加する「ミラコエ」は、2024年に設立された。共同代表を務める明治大学2年・秋山たかひでさんは、設立のきっかけをこう語る。
「僕らが高校の時、衆議院選挙があった。自分たちが投票権を得た時、自分たちが何も知らないことに気づいた。学校では議院内閣制や衆議院、参議院ということはたくさん教えてくれるが、生きた政治というか、消費税はどこが減税で、選択的夫婦別姓はどこの党が推進しているとかは教えてくれない。だからといって、友だちと話した時『政治のこととかしゃべって、あいつはキモい変なやつ』みたいに感じたことがあって、これはマズいと思った。選挙権を得て、当たり前に投票に行くことが、なんでそこまでキモがられるんだろうと感じたので、危機感を持って団体を始めようと思った」。
角間夢人さんは、2023年に「東京大学 緑政会」を設立。東大を中心に、学生700人が参加している。
「個人の話だが、歴史が好きだった。小学生の時、偉人の伝記漫画を全部読破するぐらいだったが、世界を8つぐらいの大きな文明圏に分けても、日本だけは唯一の文明。そういう歴史のロマンや特異性からして、僕は日本が好き。日本人であることに誇りも持っている。日本人として日本という国のために仕事をするためには政治は絶対切り離せない」。
所属する学生を現役議員の事務所にインターンとして紹介することもある。それも学生たちが自らの目や耳で、現場の情報に触れることを重視していることにある。
「怖いのは、わかった気になって、誰かの言葉をあたかも自分の意見のように思ってしまうこと。政治の現場に行くことに意義がある。先生方と直接お話をして、貴重な機会をいただく中で初めて分かることがある。自分で判断できるように、自分の考えを持つことが大事。政治は『決めること』だが、僕らはあえて(議論で)結論を出さない」。
韓国出身の金建昰さんは、一橋大学の政治サークル「くにたち時事研究会」の代表を務める。日本に比べて若者の政治参加が活発な韓国との違いも、日々感じるところだ。
「韓国では、若者の間でも友だち同士で最近の政策はどうだとか、この党の活動はどうだったと話す。日本でもそういう議論が活発になればいいかなと思う。日本のデモより韓国のデモの方がフェスティバル感が強い。その仲で、伝えたいものはこれだと明確にされているのが魅力のポイント。私の知る限り、日本でデモによって政権交代は行われていないが、韓国ではデモによって実際に政権が変わった経験がいくつかある」。
「長崎県立大学 雄辯会」のメンバーである黒田彪士郎さんは、地方大学生が当事者意識を持つことが重要だとして、日々議論を重ねている。
「議員を選出するのは国民の役目。政治参加はすべきだと思う。そういったことを広めるために、地方から活動している。国会を訪れることもあるが、物理的な距離やコストもかかる。そういう機会に恵まれなくても、地方の学生から活発に活動しようとしている」。
時に議論が白熱することもあるが、それもまた多様性として受け入れる。
「政治を語るとなると、右も左も真ん中もいる。その議論の中で一番大事なのは、日本をより良くするためにみんなが会話してるという共通の目的があること。それによって多様性が生まれることもメリットだ。いろいろな意見があるからこそ、もっと日本がよくなっていく。建設的な議論が大事だと思う」。
■議員たちも歓迎
