ただし例外もある。「プロ入りを決める一局や、初タイトル獲得の一局などは、まだ学習していない『報酬』なので、論理的思考が乱されることはあるかもしれません」と獺ヶ口四段は付け加える。また、極度の集中状態である「ゾーン」については、「特に集中するときに最適な心拍数は人によって違うので、上がる場合も下がる場合もあると考えられます」と解説する。
対局中、高鳴る心拍数をコントロールするための即効性のあるアプローチについて、獺ヶ口四段は「『危機』『報酬』『判断』を逆手に取ればよいので、次のように言い換えましょう。5回唱えれば落ち着きます」とユーモアな“獺ヶ口節”でアドバイスを送る 。
その具体的な言い換えとは、以下の通りだ。
「負けそうだ!=負けても死なない。今できる最善を尽くそう!」「勝てそうだ!=勝っても次がある」「時間がない…=いまある時間の中で最善を尽くせばよい!」
「学習」と「言い換え」という武器を持つプロ棋士たち。心拍数の急上昇の中でも冷静さを保つ彼らの姿から、人間の脳の底知れぬ適応力を垣間見ることができそうだ。
◆JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026 超早指しの『ABEMAトーナメント』と『地域対抗戦』が融合した新シリーズ。全国を6つの地域ブロック(関東・関西は各2チーム)に分けた全8チームによって競う団体戦。各チームは8名の監督と、ドラフト会議で指名された棋士4名の計5名で構成され、総勢40名が地域の威信をかけて戦う。5月30日から予選がスタートし、勝ち上がったチームによる準決勝および決勝戦は8月に生中継で実施される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

