
毎年恒例のイスラム教の聖地・メッカへの大巡礼が最高潮を迎えている。
しかし、中東情勢が緊迫する今年は、アメリカやイスラエルを批判するスローガンが叫ばれている。
大巡礼「ハッジ」
白い衣服を身にまとい、祈りをささげる人たち。サウジアラビアのメッカを中心に行われるイスラム教徒の大巡礼「ハッジ」が、今年も始まった。
「ハッジ」は、イスラム教の5つの義務の一つで、今年も50℃近くにもなる暑さの中、数日にわたって行われる。
巡礼者はこの日、メッカ郊外にあるアラファト山で日没まで祈りをささげた。
ここは、預言者ムハンマドが最後の説教をしたとされる場所だ。
さらに、悪魔を表す柱に向かい、石を投げる儀式も行われた。
エジプトからの巡礼者
「私は9年間、ずっと参加したいと願っていました」
大巡礼は、イスラム教徒にとって、どのような意味を持つのか?
ハッジで「人間が変わる」
東京・東十条にある、イスラム教の礼拝所。
バングラデシュ人のカウサルさん(62)は、10年ほど前、ハッジに参加した。
来日37年 バングラデシュ出身
カウサルさん
「イスラム教徒は、人生で一回はハッジに行かないといけない。お金がない人は行かなくてもいいけれど、お金がある人は人生1回はハッジに行かないとダメ」
ハッジは、身体的、経済的に可能なイスラム教徒であれば、一生に一度は果たすべきだとされている。
「人間が変わる。ハッジに行ったら、その後はみんな嘘をつかないし、人をだまさないし、『ハッジに行ったから、次はそんなことしません』と約束する」
イランからの巡礼者は減少
アメリカとイスラエルがイランへの攻撃を始めて、今月28日で3カ月。中東情勢が緊迫する中、前年を上回る170万人が参加したが、イランからの巡礼者は減少。約8万6000人が参加予定だったが、3万人ほどにとどまっている。
イランからの巡礼者は、メッカで怒りの声を上げた。
「アラーの他に神はいない。アメリカはアラーの敵だ。アラーの他に神はいない。イスラエルはアラーの敵だ」
航空運賃高騰に直面
世界中から多くのイスラム教徒がサウジアラビアを訪れているが、今年は航空運賃の高騰に直面しているという。
インドネシアでは、人口約2億8000万人のうち87%がイスラム教徒で、現地メディアによると、今年は約22万1000人が参加するという。
ここ数年、巡礼費用は1人あたり80万円ほどだったが、今年は原油価格の高騰で、航空運賃が1人あたり700万ルピアから800万ルピア、日本円で7万円超の負担増となっている。
そこで、この追加費用の総額1兆7700億ルピア、約158億円をインドネシア政府が負担して、巡礼費用を例年並みに据え置いたという。
また、人口約3350万人の半数以上がイスラム教徒で、3万人を超える巡礼者がいるマレーシアも、今年の1人あたりの巡礼費用を日本円で約60万円から約133万円と、収入により費用は変わるが従来通り据え置くと発表していて、原油高で想定外の費用が発生した場合も、その分を政府が負担する方針だと現地メディアが報じている。
“水牛のトランプ”話題に
バングラデシュでは大巡礼に合わせて、イスラム教の祝祭が行われ、“ある牛”が話題になっている。
神への信仰の証しとして、ウシやヒツジなどをいけにえとして捧げ、その肉を貧しい人と分け合うイスラム教の「犠牲祭」。
その際に注目されたのが、いけにえ用に売られた白い水牛だ。
流れる金髪の前髪が似ていることから付けられた名前は「ドナルド・トランプ」。
元飼い主
「似ているから名付けただけです。愛情を込めて付けました」
あまりにそっくりな姿は、インターネットで大きな反響を呼び、運命が変わることに…。
いけにえにされる数時間前、バングラデシュ政府の介入によって、警察に保護されたという。
水牛の「ドナルド・トランプ」だが、今後はどうなるのだろうか?
動物園で手厚く世話
AFP通信によると、バングラデシュ国内にある国立動物園で飼育されることになったそうだ。
園長は「この水牛のために専用の小屋を用意し、飼育員を配置した」と話していて、水牛は手厚く世話をされることになるようだ。
(2026年5月29日放送分より)
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