■円がOECD内で最弱通貨に
米シンクタンク上級研究員のロビン・ブルックス氏が、実質実効為替レートで日本円がトルコリラを下回り、OECD内で最低位になったと指摘した。同指標は、貿易相手国全体を対象に物価差を調整し、通貨の購買力を算出したものだ。
明治大学教授の飯田泰之氏は、実質実効為替レートの低下を過度に悲観する世論に対し、統計の定義に基づく誤解があると指摘した。
「実質実効為替レートというのは、一般的にみんなが使っている為替レートかける物価の比。日本がここからインフレになると、レートは上がるんですよ。アベノミクスの時期もやや下がっていたが、その大きな理由は、各国に比べて物価があまり上がらなかったから。円高が問題だと言うならば、よく使ってる為替レートで見ないと意味はない」。
飯田氏は、同指標の低下は国内の物価上昇率が諸外国より低かったためで、真因は企業が生産・投資を海外で行うことにシフトという産業構造の変化にあると分析した。
経済評論家の藤巻健史氏は、為替は国力を表すものだとし、現状を説く。
「国力の弱い国の通貨は安くなるということが大原則。日本は40年間、国内総生産が世界ダントツのビリ成長で、成長していない。弱い国から強い国であるアメリカに金が流れているのが根本的な問題だ」。
また、円安は政府・日銀の政策ミスが招いた結果だと指摘する。
「日本は国力の弱さに加えて、一種の政策ミスをした。金融論で言えば、絶対にやってはいけない財政ファイナンスという、政府が赤字国債を発行し、それを日本銀行が買う、その際に紙幣を増刷して政府に渡す、通貨を発行することによって賄ってきた。そうなれば通貨がどんどん膨れ上がる。1990年代の終わりに比べると10倍ぐらい通貨をばら撒いた。そうなれば、当然通貨は弱くなり、通貨の毀損が起こっている」。
■続く円の海外流出
