
街中で見かけることも多い車道と歩道の段差を解消するためのスロープなどは、実は法律違反になる可能性が高いということです。多くの自治体が撤去するよう呼びかけています。
歩行者や自転車の転倒事故も
都内の住宅街には、段差を解消するためのプレートがあちらこちらに10個以上も置かれています。
街のあちらこちらで見かける道路の段差を解消するプレートやスロープ。車や自転車の出入りには便利ですが、自治体は道路上に置かないよう呼びかけています。
船橋市のXから
「道路に物を置かないで!乗り上げブロックなどを道路上にみだりに置くことは、法律で禁じられています」
京都市のホームページから
「設置者の皆様には速やかな撤去をお願いします」
段差を解消するために設置したものは、道路法に違反しているというのです。
背景にあるのは、歩行者や自転車などの転倒事故につながる懸念です。
ベリーベスト法律事務所 齊田貴士弁護士
「道路の構造または交通に(支障を及ぼす)恐れがあると評価されて、道路法に違反するとなった場合には、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という法定刑になる」
齊田弁護士によると、過去には原付バイクの大学生が段差解消プレートに乗り上げて転倒し、後続車にはねられて死亡。設置者が罰金5万円の有罪判決を受けたケースもあります。
リスクは転倒事故だけではありません。
排水処理できず冠水も
午前10時すぎの東京・新宿区内。段差を解消する鉄板の影響でしょうか。周りは雨水がたまっています。
台風6号でも各地で道路の冠水が相次ぎましたが、段差解消プレートが雨水の流れを止め、排水処理ができず道路冠水につながる恐れもあります。
過去には、雨の影響で流されてしまった段差解消プレートもありました。
本格的に段差を解消するには、行政の許可を得たうえで、歩道などを切り下げる工事が必要です。
ただ費用は自己負担で、OPENによると相場は30万円から80万円かかるといい、手を出しにくいのが現状です。
違法設置 今後の対策は
東京・世田谷区では、商店や事業者等を対象に、一時的に使う段差を解消する簡易スロープなどの経費助成を行っています。
下北沢の施設では、運営会社が去年この制度を利用して導入。普段は店内で保管しています。
簡易スロープを保管
omusubi不動産 高野あゆみさん
「(段差解消簡易スロープは)必要な時に、必要な時間だけ出す。施設自体がすごく区道と隣接している。そもそも常設のものを置けない制約があるので、取り外しのできるスロープはすごく重宝している」
段差解消プレートの違法設置問題。区の予算特別委員会でも取り上げられました。
世田谷区 岸本土木計画調整課長
「区民からの通報や日々のパトロールで対象物を確認し、その所有者に対して指導・注意を行い、改善に努めている」
公明党 世田谷区議団 高橋昭彦委員
「注意を行ったとしても、問題は解決しないと思う」
齊田弁護士は、今後の対策について次のように話します。
「やはり皆様の罪の意識がないので、これが法律違反ですよ、事故になったら被害者に賠償金を支払う義務が生じますよというアナウンスは一番大事。あとは切り下げ工事をするにも、手間とか費用がかかるので、費用の補助をするなどが考えられる」
(2026年6月4日放送分より)
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