味付けはオリーブオイルと豪快に振りかけたスパイスソルトのみ。東出が炭火の上のスキレットに肉を乗せると、静かな雨の山に「ジューーー!」と激しくも心地よい音が響き渡った。その光景に箕輪は「これだ、見てたやつだ!この音が……」と大感激。油分が少ない鹿肉の歯触りを損なわないよう、東出が絶妙なレア加減で焼き上げた。
ファーストバイトを託され、焼き立ての肉を一口で頬張った渡部は、天を見上げ、感動のあまり言葉を失った。じっくりと噛み締めながら「味がものすごい濃い」としみじみ漏らす渡部の横で、農家の友人から頂いた網焼きズッキーニを口にした箕輪も「すべてが美味しい!極端な話、このズッキーニひと口でハイボール8杯はいける」と熱弁を振るい、現場は大爆笑に包まれた。
「デトックスしてます。はぁー、ええ」と、自らもズッキーニを噛みしめながら静かに独白した東出。自身が仕留めた命を丁寧に扱い、仲間と分かち合う贅沢な時間。都会の虚飾や数字への執着から切り離された囲炉裏の席で、渡部は「こうして火を囲めて、幸せです」と優しく微笑んでいた。
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