「自分の子供の命を奪った人たちが、すぐ目の前で…」東出昌大、戦場カメラマン・渡部陽一の壮絶経験に絶句「なんで心壊れなかったんですか?」

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「自分の子どもたちが、目の前で、当たり前のように命を奪われて。その命を奪った人たちが、すぐ目の前で、笑いながらコーヒーを飲んでいたり、タバコを吸っていたりしたときに。目の前に武器が置かれていたときには、人は、やってはいけないって分かっていても、気持ちと体が極限になるとバラバラになってしまって、無意識のうちに引き金をとってしまう」

 目の前で理不尽に命を奪われ、その加害者が平然と日常を謳歌している狂気。そして極限の絶望に立たされた人間が、復讐の銃を無意識に握ってしまう絶対的な現実。タバコを口に当てたまま、渡部の言葉を一言一句聞き漏らすまいと凝視していた東出は、表情を完全に引き締め、あまりの重さに「絶対撃つ、うん……」と静かに目を伏せるしかなかった。

 重すぎる沈黙が流れるなか、東出から「なんで心壊れなかったんですか?」と絞り出すような問いが零れ落ちる。すると渡部は、切なくも穏やかな笑みを浮かべて「壊れました。やっぱり」と即答。一度は完全に崩壊した自身の心をこの世界に繋ぎ止めたのは、皮肉にも「また同じ戦場という場所に戻ること」だったと明かした。地獄のような戦火のなかでも懸命に生きる人々の「思いや声」を、カメラマンとして世界に届けていくという執念と取材の意志だけが、渡部の魂の拠り所となっていたのだ。

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