この一進一退の息詰まる攻防の中で、観衆を大いに沸かせたのがズベレフの随所で見せたキレのある“神技”の数々だ。第3セットには、ネット際へギリギリに打ち込まれたショットに対し猛ダッシュで食らいつき、ふわりとした軌道で逆サイドの空いたスペースへ打ち返すスーパープレーを披露してファンを大興奮させた。さらに運命の第5セットでも、あまりにもハードなラリーの応酬から、相手の動きを完全に読み切った意表を突く一打でコボッリを翻弄。大舞台での底知れぬ強さを見せつけ、会場中をうならせた。
極限状態でのファイナルセット、ズベレフは圧巻のゲーム運びで頂点へ駆け上がった。現在29歳、11年連続11度目の全仏出場。これまで四大大会の決勝には3度進出しながら、そのすべてで準優勝と苦杯をなめてきた。幾多の挫折を乗り越え、4度目の挑戦でついに手にしたローランギャロスの栄冠。勝利を決めた瞬間、ズベレフの頬を伝ったあふれる涙は、長く険しかった道のりと計り知れない重圧から解放された喜びを物語っていた。
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