
東京23区の大学の定員規制を巡って政府と東京都の溝が深まっている。「東京一極集中」を是正しようとする国に、小池百合子都知事が強い不満をあらわにした。
【画像】「大学改革にも大きな支障」政府に猛反発する小池都知事
政府と東京都に確執?目指すのは「地方創生」か「都市部の成長」か。そして、物価高と金利上昇によって、若者たちの奨学金返還が難しくなっているという。
まずは、政府と東京都の対立について見ていく。
日本政府 なぜ規制を行う?
対立の根底には、国と都の立場の違いがあるという。
2018年に成立した「地域大学振興法」とは、東京一極集中に歯止めをかけ、地方の大学を振興するため、東京23区内の大学の定員増を原則として10年間認めない法律だ。2028年の3月末に期限を迎えるが、今月4日、国の有識者会議が期間延長を巡る議論を開始した。
これに対し、東京都の小池知事は「学生の学びの機会が制約されるとともに、大学改革にも大きな支障が生じている」と規制の撤廃を求めた。
東京都が公開したデータによると、定員規制により影響を受けた大学は回答した68校の中で、41校あったという。
23区のある大学は「新しい学部を検討したが規制のために見送った」といい、別の大学も「収入増加が見込めないため設備投資などがしづらい」としている。
また、地方大学への進学者の割合はどうなっているかというと、地方出身者が進学先として、地方大学を選ぶ割合は、規制後も規制前と同じ60%前後と横ばいで推移。増えてはいない。
ではなぜ、政府は規制を行っているのか。
去年、東京都の転入超過は6万5219人。つまり、転入した人が、転出した人を6万人以上回った。年代別で見ると15歳から19歳が約1.3万人、20歳から24歳が約5.7万人だった。
定員規制を行う前年、2017年の有識者会議による最終報告では「大学進学時の転入超過は大きな割合で、今後も継続しかねない。また大学進学時の東京転入者は、就職時においても東京残留率が高い」とまとめている。
また、大学の存在が地域経済にも影響を与えていて、大学は学生や教職員の消費活動による経済効果もあるという。
例えば、人口約1万8000人の地方の都市で、2017年に短大が廃止されると…「飲食店などで売り上げが激減」し「多くの大家は家賃収入を失った」という。
奨学金返還 負担が増加
大学教育における問題は「地方と東京」だけにとどまらない。物価高と金利上昇で奨学金の返還が難しくなっているという。
現在、奨学金制度を利用している大学生の割合は55%、2人に1人に達しているという。こうした中、返還が難しくなっている。
奨学金の借入額の平均が323万円。返還年数の平均は15年。金利の上昇で返還の負担が増加している。
こうした中、企業が返還を肩代わりする「代理返還制度」がある。これは、企業が社員の奨学金を全額または一部を肩代わりする制度で、今年3月時点で4852社が導入している。
企業にもメリットがあり、制度をアピールすることで、学生の募集が行いやすくなり、人材不足解消が見込まれるという。
(2026年6月9日放送分より)
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