
自宅に火を放って高齢の父親を殺害した罪などに問われた男の裁判で、9日に無罪判決が言い渡されました。
【画像】無罪判決が言い渡された被告「十数本の短いろうそくを…」
“介護逃避”検察が動機主張
おととし1月、神奈川県藤沢市にあるマンション2階の1室に放火し、父親を殺害した罪などで逮捕・起訴された高橋正雄被告(61)。
死亡した父・康春さん(当時87)は意識障害があり、寝たきりの状態になっていて、7段階ある要介護認定のうち最も重い「要介護5」でした。
検察側
「被害者は寝たきりの状態でヘルパーによる訪問看護等のサービスが開始された。被告人自身は収入がなく借金があり、被害者及び母親の年金等によって生活していた」
「被告が『介護が大変』などと言うようになり、訪問看護師から短時間の施設利用を提案されたが『金がかかる』と断っていた」
最終的には、電気、ガス、携帯電話、3つのライフラインが断たれていました。
高橋被告は出火当時、マンションの前に立ち火災の様子を見ていたところ警察官に声をかけられ、そのまま立ち去ろうとしました。
検察側は「父親の介護をしていた息子が現実逃避のために殺人・放火をした」と主張してきましたが、9日に裁判所が言い渡したのは「無罪」でした。
無罪判決の理由は
火を放ち殺害した罪などに問われた息子の高橋被告は、逮捕直後は容疑を認めていましたが、その後、否認に転じました。
高橋被告
「十数本の短いろうそくを皿の上に横にして置き、それをリビングに置いて火をつけた。本を片付けていたところ、気が付いた時には胸の高さまで燃え上がっていた。ろうそくの火が何らかの原因で周辺のものに引火したのだと思う」
殺人と放火に関して無罪判決を言い渡した理由について、裁判長は。
「警察が声をかけて逃げたことについて、何らやましいことがなかったとしても警察を避けることは不自然なものではなく、放火したとは認められない。何らかの形で火を使い、適切に使えなかった可能性は否定できない」
「火災があったのは被告の何らかの行為があり、実父がこれによって亡くなったことは認めるが、実父を殺そうとしたことについては疑いが残る。犯罪の証拠がないことから無罪の言い渡しをする」
(2026年6月10日放送分より)
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