10日、衆議院財務金融委員会において、ゴールドマン・サックス証券出身で中道改革連合の岡本三成議員が暗号資産に関わる詐欺について質問した。
岡本議員は、SNSや動画配信サイトで暗号資産に不慣れな投資家や消費者を狙った詐欺が横行していると指摘し、その特徴について警察庁の見解をただした。
警察庁の大濱健志組織犯罪対策部長は、これらを「SNS型投資詐欺」と呼称していると説明した。具体的な手口として、SNS上で著名人になりすました広告を掲載し、クリックした被害者を無料の投資セミナー等と称するSNSグループに招待して入金を促し、暗号資産を騙し取るケースがあるとした。令和7年7月以降は著名人の画像や動画を無断使用したバナー広告による被害の増加が顕著であり、交付形態はインターネットバンキングなどを利用した振込型が最多で、次いで暗号資産送信型が多いと説明した。
岡本議員は、アプリ上で運用利益が増えているかのように見せ、その“儲かった分”を引き出そうとすると「手数料や税金などと言葉巧みに嘘を言ってさらにお金を振り込ませる」のが典型的な手口だと指摘した。被害者が相談窓口「#9110」から警察署へ行く際に説明が2度手間になり、その間にブロックチェーン上でお金が逃げていく問題を挙げ、同意の上での録音をAIで要約して警察署間で共有し、専門の警察官がオンラインで同席する体制を全国一律で整えるよう提案した。
警察庁の大濱部長は、被害の届け出がなされていない段階であっても、被害金が転々とするのを防ぐため、振込先口座や暗号資産取引口座などの必要な情報が判明した時点で、すぐさま金融機関などに対して口座凍結検討依頼を迅速かつ確実に行い、被害拡大防止や被害回復を図っていると説明した。その上で、岡本議員の提案を今後の検討課題の一つとして重く受け止めたいと回答した。
さらに岡本議員は、詐欺を防ぐリテラシー向上のため、文字中心の注意喚起ではなく最新の手口を映像化したショートムービーを作成し、政府広報や送金画面など利用者が目にする場所に添付する仕組みを政府や金融庁主導で実現するよう求めた。
片山さつき金融担当大臣は、暗号資産に限らず投資詐欺が重大な問題になっているとし、被害防止に向けた分かりやすい広報や映像コンテンツの重要性に同意した。その上で、AI技術を悪用した精緻ななりすまし動画による詐欺のリスクに触れつつ、「私も何件かやられたんで、自分のXに。そのうち典型的なものが支援者の方から知らされたので、『これは全く私と関係ありません』とはった」と、自身のSNSがなりすまし被害に遭った際の対応を告白した。その上で、分かりやすく、アクセスしやすい啓発動画の周知や、無登録業者への警告、警察との連携強化を通じて社会全体を犯罪から守るため金融犯罪対策に取り組むと言明した。
岡本議員は、暗号資産交換業者などの民間ホームページにも、こうした詐欺被害防止の啓発動画へのリンクを掲載するよう、政府から要請すべきだと求めて次の質問に移った。
(ABEMA NEWS)

