中国のスパイ工作「ファイブ・アイズ」が警告 日本は「対外情報庁」の創設目指す

中国のスパイ工作「ファイブ・アイズ」が警告 日本は「対外情報庁」の創設目指す
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 アメリカやイギリスなどが参加する機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」は、中国がスパイ工作を強化していると警告した。中国政府は「でっち上げだ」と否定したうえで、「ファイブ・アイズこそ世界最大のスパイネットワークだ」と猛反発している。

【画像】市長が過去にスパイ活動?

各国が警告も 中国は否定

 まずは「ファイブ・アイズ」が警告した、中国のスパイ工作を見ていく。

機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」
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 異例の「共同文書」という形での警告となった。アメリカ、イギリス、カナダなど5カ国による機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」が3日、中国が各国の機密情報にアクセスできる人材を勧誘していると警告する共同文書を発表した。主なターゲットは各国の政府や軍の関係者だという。

 この文書の中では、具体的な勧誘方法にも触れている。中国のスパイらは人材紹介会社などを装い、SNSや求人サイトに外交や防衛などの分析を行う人材を募集するニセの求人広告を掲載。

 応募者には、中国の外交や安全保障をテーマにした報告書の作成を要求するといい、報告書1件につき日本円にして数万円から数十万円の報酬をオンライン決済で支払うという。

 ただ、こうした「ファイブ・アイズ」の指摘に対して、在イギリス中国大使館の報道官は4日に出した声明の中で、「完全なでっち上げ。悪意ある中傷だ」と否定し、「ファイブ・アイズこそ世界最大のスパイネットワークだ」と反発している。

市長が過去にスパイ活動?

 実際、アメリカではカリフォルニア州のある市長が、過去にスパイ活動を行っていたという例がある。

アルケイディア市のアイリーン・ワン元市長
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 カリフォルニア州アルケイディア市のアイリーン・ワン元市長は先月29日、連邦地裁で自身がかつて中国政府の指示でスパイとして活動したとして、有罪を認めた。

 AP通信によると、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のアルケイディア市は、直近20年間で中国系の移民が増えていた。市民らは中国共産党の影響力を警戒していたという。

 ワン元市長は、中国系アメリカ人向けのニュースサイトを運営していた2020年後半から2022年にかけて、中国政府の高官から「新疆ウイグル自治区で虐殺は起きておらず、強制労働もない」などとするメッセージを受け取り、中国の意に沿った情報を発信していたという。

 アメリカでは、公職に就く人が司法長官に通知せずに外国政府の代理人として活動した場合、連邦法違反にあたり、最高で10年の拘禁刑が科される可能性があるという。

実働組織とは

 では、こうしたスパイ活動の裏にどのような組織が存在するのか?日本大学の小谷賢教授によると、スパイ活動の実働部隊は主に3つあるという。

実働は3つの組織
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 1つ目は「中国共産党の中央統一戦線工作部」という組織で、海外で中国に有利な情報を流すプロパガンダを担当しているという。

 そのほか、政府の「国家安全省」や「軍の情報機関」などが海外の情報を入手することなどを担っているという。

海外の情報収集 強化へ

 高市政権は、外国からのスパイ活動を防ぐと同時に海外での情報収集能力を強化するとしている。

情報収集活動とは?
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 高市早苗総理大臣は政府の「インテリジェンス(=情報収集)」の機能を強化するとして、来年度末までに「対外情報庁」の創設を目指すという。

 では、その「対外情報庁」が担うとされる情報収集活動とは、具体的にどのようなものなのか?

 国際ジャーナリストの山田敏弘さんによると、まずは「画像情報」と呼ばれる情報収集で、偵察衛星などが撮影した写真から情報を得るもの。

 また「信号情報」と呼ばれる、ネット通信の傍受や電磁波の探知などを行い、それを解析して情報を得る、というもの。

 それから「人的情報」と呼ばれる、スパイを相手国に潜入させて情報を得るものなどがあるという。

 山田さんはこの「人的情報」を強化することが日本にとって最大の課題だという。

 「人的情報」の具体的な方法としては、「ニセの企業名や偽名を使って情報を聞き出す」「相手のパソコンやネットワークに侵入し情報を抜き取る」「買収して情報を得る」「色仕掛け(いわゆるハニートラップ)で情報を入手」するなどが考えられるという。

「対外情報庁」創設に課題

 しかし「対外情報庁」をつくるためには、いくつか乗り越えなければならない課題があるという。

海外で“スパイ”活動を行うには法改正が必要か
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 山田さんによると、海外でいわゆる“スパイ活動”を行うには、日本国内での法改正が必要になるという。

 例えば、偽造パスポートの作成や使用は日本の法律では認められていない。

 また、スパイが海外で国内法に反する行為をした場合、外国では帰国後に免責されるケースがあるが日本の場合は帰国後に処罰される可能性があるという。

(2026年6月10日放送分より)

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