■少女時代のヌード、女優の訴えで配信停止に
「まわり道」に出演したキンスキーは、15年以上にわたり監督への面会と該当シーンの削除を求めていた。映画評論家の町山智浩氏は「ラブシーンではなく、上半身が裸のシーンが20秒ほど。当時は日本でも、少女がヌードになる映画がテレビで放送されていた」と語る。
キンスキーと同様に、1968年公開の映画「ロミオとジュリエット」では、俳優のレナード・ホワイティングと、女優のオリヴィア・ハッセーが、ヌードシーンが児童虐待に当たるとして制作会社を提訴。ただ町山氏は「映画も大当たりし日本で何回も再上映されたが、これは裁判所が児童ポルノにあたらないと訴えを退けた」と紹介した。
一方、1978年公開の映画「プリティ・ベビー」に出演した女優のブルック・シールズは、自身のドキュメンタリー内で当時11歳の自分の裸が映っていると批判。ただし、町山氏によれば「『私は誇りに思っている』と言っていた」というケースもあるという。
なぜ、少年少女が裸で出演するケースが多数あったのか。また当時の映画業界については「契約は厳しくないどころか、ほとんどなかったと思う。だから現場まで脱がないと言われていて、現場で脱げと騙し討ちにあうこともあった」と、出演に際して明確な契約を結ばないケースが大多数だったと説明。さらに「日本の女優の多くが少女時代にヌード写真とか撮られてたりするのも、ステージママとの関係があるから。だから当時は騒ぐことはできなかった。母親の下で縛られていたってことがある」と語り、当事者が拒否権を持てなかった実態を指摘した。
なお、法的な観点では、レイ法律事務所・河西邦剛弁護士によると、著作権法の「ワンチャンス主義」があるとし「一度、適法に録音・録画された実演にはその後の二次利用を拒否する権利が及ばない。ただし 児童ポルノに違反する場合は、人格権を基とした削除請求はあり得る」という。また「時代ごとに価値観は変化するため、配信停止などは法律の中ではなくプラットフォーム側の判断に委ねられる」とも説明した。
■合意形成にも課題
