17日、参議院デジタルAI特別委員会において、立憲民主党の石垣のりこ議員が個人情報保護に関する質問を行った。審議では、法改正に伴う「統計特例」の対象範囲やAI開発におけるリスクが議論され、石垣氏は電動キックボード「LUUP」のデータ照合を例に挙げた「要配慮個人情報」の生成問題を指摘し、法制度自体についても「ザル法どころか筒状態」などと批判した。
石垣氏はまず、法改正案に盛り込まれた「統計特例」が、主としてAI開発における統計であるか確認を求めた。松本尚大臣は、AI開発も特例の対象となると説明した。また、この特例によって本人同意なく第三者に提供できる個人情報について、松本大臣は法令の要件を満たす限り利用分野に限定はなく、治安維持や防犯などを目的とする場合や、特定の行政機関が保有する個人情報であっても除外する規定はないと答弁した。一方で、「個人に関する情報に当たらない情報まで加工されるということを前提とした特例」であるとし、個人の権利利益を害する恐れが少ないことを制度的に担保していると理解を求めた。
さらに石垣氏は、車両番号認証システム(Nシステム)の画像や監視カメラの映像が個人情報に該当するかを質問し、松本大臣はいずれも特定の個人を識別できる場合には個人情報に該当するとの見解を示した。
これらを踏まえ、石垣氏は直接的な要配慮情報でない情報であったとしても、個人情報を示すカギになる事例として「LUUP」の電動キックボードの死亡事故を挙げた。石垣氏は、警察からLUUP側へ交通違反を起こした日時、場所、車両番号が提供され、LUUP側が持つ利用者の情報と照合して違反者を特定し使用停止している仕組みに言及した。「交通違反の情報は当然要配慮情報に当たる」とした上で、車体番号など個人情報ではない情報と、住所や氏名といった情報を重ねることで「要配慮個人情報ができてしまう」と指摘。このようにして出来上がった情報も、統計特例として提供可能かを問うた。
これに対し、個人情報保護委員会の佐脇紀代志事務局長は、民間事業者が情報を受け取って手元で犯罪歴等の情報になった場合、当該民間事業者がAI開発を含む統計作成等を行っている別の事業者に提供するケースにおいては、「AI開発などに限定して使う事業者に提供することを本特例は認めることになる」と答弁した。
石垣氏は、情報を重ね合わせていくことで要配慮個人情報が出来上がってしまうケースがあるとした上で、ネット通販やマッチングアプリ、レンタカーといった様々なツールに繋がっている大量の個人情報が統計の名のもとに読み込まれることによって、個人の行動パターンや趣味嗜好、その他様々な機微に触れる情報まで特定される可能性が非常に高くなると指摘。それらが大量に本人同意なく汎用AIに読み込まれて学習されてしまう懸念を払い、個人の権利利益が損なわれないようにするという実効性が担保されているか疑問であるとした。また、本人の同意を必要としない要配慮個人情報を使って作られたAIを網羅的に把握することすら放棄しているとして、「ザル法どころかもう筒状態ですよ。何もない状態ですり抜けていくわけですよ」と批判した。
石垣氏は続いて「顔特徴データ等の取り扱い」についての質問に移った。
(ABEMA NEWS)

