
アフリカでエボラ出血熱の感染が拡大し、終息が見通せない状態となっています。原因の一つと言われているのが、デマを信じた患者の脱走です。
【画像】身元不明の人物が放火 焼け落ち…骨組みだけが残ったテント
「エボラは存在しない」デマも拡散
コンゴ民主共和国で流行が続く「エボラ出血熱」。緊急事態宣言から1カ月が経ち、コンゴでは感染者数が837人、死亡者数は196人に上ります。
対応に追われる医療従事者たち。感染拡大を防ぐため、患者は隔離施設で治療を受けています。しかし今、現場で深刻な問題となっているのが“患者の逃走”です。
リチャード・ロコドゥ医療部長
「国境なき医師団が設置したテントに、身元不明の人物が放火しました」
焼け落ち、骨組みだけが残ったテント。18人の患者が逃走し、隔離施設はもぬけの殻となっていました。異常事態は、これだけではありません。
鳴り響く銃声と、立ち込める白い煙。亡くなったエボラ患者の棺を医療従事者から奪おうとする市民に対し、警察が銃と催涙ガスで対抗する様子です。
背景にあるのは、「エボラは存在しない」などといったデマの拡散です。
現地で働くコンゴ人 エトムさん(28)
「何もない『エボラはありません』(という人も)少しいます。COVID-19(新型コロナ)から、みんなワクチンはあまり信じられない。SNSとかで、みんな『ワクチンはダメ』と送っているから、みんなそういうことを信じるようになりました」
学生時代は日本で学び、現在はコンゴの首都・キンシャサで働くコンゴ人のエトムさん。新型コロナ以降、現地のSNSでは医療不信をあおる投稿が増え、「エボラは嘘だ」という噂まで広まっているといいます。
危機感募らせる現地医師
デマによる混乱が感染拡大に拍車をかける中、現地では国外への広がりを心配し、自衛する動きも広がっています。
エトムさん
「私は、毎日どこでも手を洗います。あいさつの時も手(握手)はダメ。日本みたいに『おはようございます』(お辞儀)。日本だけじゃなくて、他の国に広がっちゃったら危ない。ここ(コンゴ)で見つけたから、ここで終わったほうがいいです」
しかし感染拡大は続いていて、隣の国・ウガンダでも19人の感染と2人の死亡が確認されました。
「エボラは存在しない」。広がるデマに対し、現地の医師は危機感を募らせています。
現地の医師
「流行は現実に起きています。感染の連鎖を断ち切らなければなりません。もし人々が『エボラは存在しない』と考え続けるなら、この流行を管理することは難しくなります」
(2026年6月18日放送分より)
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