■なぜ比例だけで「45」与党に有利?野党に不利?
森氏は「10増10減が決まった際に、付帯決議として“選挙制度見直し”が約束され、衆院議長のもとに選挙制度協議会が立ち上がった。そこでは『秋の国勢調査の結果が出るまでに、一定の結論を出そう』と約束している。与党も含めて約束したのに、『結論が出なければ自動削減』とするのは不誠実。『協議会で結論を出すために100%の努力をする』と言い切るのが与党の仕事だ。すごく後ろ向きで、答えを出さない気が満々だ」と批判する。
そして、「明確な約束事があるのに、別の約束事を作るのは、わけがわからない。『身を切る改革』なのは野党で、与党にとっては『懐をあたためる改革』。与党の議席占有率は、現在の75.7%から81.9%に上がる」と主張する。
加えて、「新陳代謝が起きない。総理になった高市早苗氏は、民主党政権時に比例復活した。維新の吉村洋文代表も、衆院議員時代は比例復活だった。比例を削減すると、吉村氏は政治家になっていなかったかもしれない。新陳代謝を生むのが、小選挙区と比例の3対2であり、これをなくすと強い政治家による、オールド民主主義のままになる」とも語った。
協議会メンバーである峰島氏は「学識者らの意見を聞き、議論して、各党が選挙制度案を出したばかり。そのタイミングで、協議会とは別に『1年後に自動削減』と出すのは乱暴だ」とみる。「お金の使途から、国民の政治家不信が広がっている。そこを解決せずに定数削減しても、落とすべき政治家を落とせるのか。むしろ新人や女性議員が切り捨てられないかと懸念している」。
一部試算には、定数削減後の比例獲得議席が、自民3%、維新11%なのに対して、野党は20%以上になるというものもある。井上氏は「率ではそうだが、削減される絶対数は自民党が一番のため、『党に有利になるから』は邪推だ。選挙には2つの機能があり、小選挙区は“民意の集約”で、比例は“民意の反映”だ。多党化で『決められない政治』になる中、集約化で決める政治をした方がいいと考え、小選挙区ではなく比例削減を結論づけた」という。
その上で、自身の考えとして、「いつまでも同じ比率でなく、時代に合わせて変えていく。自分たちの党は比例当選者が多いからと、“党利党略”で削減に反対しているのは残念だ。これで選挙制度の議論は、絶対に結論が出ない。国にとって、どういう制度がいいかを考えないとダメだ。党利党略から脱却した議論をしたい」と求める。
青柳氏は「『与党が増える』と印象操作されるが、試算で維新は4議席減る一方、みらいは3しか減らない。みらいの方がダメージは少ない。比率は有権者の選択であり、はっきり言えば支持率がないのが悪い。自分たちに有利な制度を作ったつもりはない。『議論の締め切りを作ることが重要だ』という結論もありうる」と反論する。
締め切りを求める理由としては、「昨年末の案は、自民党と一緒に出したが、決まらなかった。だから今回は比例だけにした。1年以内に決めればよいのであり、違う結論にすればいいだけだ」といった点を挙げる。「衆院選では自民が大勝ちして14議席手放した。自民党に投票した議席で、他党が議席を取るのは、民主主義のバグだ」。
2ちゃんねる・創設者のひろゆき氏は、「日本の人口は、ピーク時の約4%減。国会議員を30人減らしても、人口比に沿っている。減らして問題があれば、また増やせばいい。国会議員が年3000万円もらえる職業に、ぬくぬくしがみつきたくて、嫌だと言っているのだろう。問題があれば、また戻せばいい。とりあえず減らすところからスタートしよう」と提案する。
「野党が『小選挙区20、比例25削減』で固めて、有識者も『1年半で行ける』となれば、それでいい。一方で、『もしできなかったら比例削減になるから、急いで話し合おう』で何の問題もないのではないか」。
(『ABEMA Prime』より)

