細田作品の魅力について問われた染谷は「エンターテインメントとして楽しめることが大前提として、人々の変化と時代の変化が伴って表現されていることが自分の胸に響くんです。『おおかみこどもの雨と雪』の出演時には自分に子どもはいなかったですが、自分にも家族ができてから改めて観ると、まったく違う感覚で観ることができるんです。世代を超えていろいろな方がいろいろな捉え方ができる。ハッとするというか、新作にも出させていただくたびに新たな感覚を得ることがあって、素敵だなと思います」と語る。
染谷の言葉を受けて細田監督は「やっぱり作品を作っていていつも思うのですが、時代とともに変わっていくものは確実にあって、それとともに変わらないものがある。『時をかける少女』は筒井康隆先生の原作があってたくさん映画化された経緯があるなか、時代ごとに変化していくものと共通して変わらないものは何かを、作るときに考えたんです。そのことを以降の作品でも意識しています」と語り、2026年の現在が、2009年公開の『サマーウォーズ』のようにAIが台頭した世界になってきていることにも話題が及んだ。
細田監督は「そういう意味でも映画って面白いですよね。作られたときの時代を感じるのは当然としても、時間が経っても時代が巡ってきて映画の中から発見できることも、映画の面白さだと思います」とまとめていた。
話題は「むちゃくちゃ恥ずかしい!」と細田監督が悶えていた中学生時代の自主制作ペーパーアニメ『one sided war』に移る。「細田守の原点/展」という展覧会タイトルだからこそ出さざるを得なかったという作品について、染谷からは「すごかったです。中学生でこれを作れるということもそうですが、出てくるモチーフもいまの監督につながっていて鳥肌が立ちました」と率直な感想が述べられる。
細田監督は「自分で振り返ってみると、あんまり変わっていないことも多いんだなと思いました。前の作品を忘れて新しい作品に取り組むようにやってきたのですが、今回を機に初めて振り返ると、(『one sided war』にも)龍が出てきていますねって言われて、結局昔と変わらないものがあるのかもしれませんね」と自身を見つめなおしていた。
『時をかける少女』20周年記念 細田守の原点/展
会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO(東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6F)
会期:2026年6月20日(土)~8月31日(月)
取材・撮影・テキスト/kato
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(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会


