■実質的な購買力は「相当厳しい数字」円の弱さは「戦後360円時代とほぼ同水準」
1986年といえば、伊豆大島の三原山が噴火して全島民が避難し、上野動物園でパンダの赤ちゃん「トントン」が公開されて大人気となった年だ。そこからおよそ40年ぶりの円安水準について、エコノミストの崔氏は次のように解説する。
「水準だけを見ると40年ぶりで、今の60代、70代からすれば『まだまだ円高だ』と思うかもしれない。しかし、実質実効為替レートという本来の円の購買力で見てみると、実は戦後の1ドル360円時代とほぼ同水準だ。今出ている162円は名目レートだが、本来見るべき通貨の力である実質レートで見ると、戦後の360円時代とほぼ変わらない」(崔氏、以下同)
この数字がどれほど厳しい状況を示しているかについて、次のように説明する。
「これは相当厳しい数字で、例えば一部のメディアで『ハワイに行くと唐揚げ、ラーメン、ビールを頼んだだけで1万円いく』という話があるが、戦後もハワイは一部のお金持ちが行くところで『こんなにお金がかかる』と言われていた。今それとほぼ変わらないぐらいまで日本円が厳しい状況になっている」
日本円の実質的な購買力が低下している現状について、さらに懸念を示す。
「日本が海外から物を買う時、10年前、20年前に比べるとかなり苦しくなってきている。今までの稼ぎをより払わないと、石油や海外の食料品が買えないし、海外旅行もよりハードルが高くなっている。アジア全体、特に東アジアや東南アジアの資源がない国において通貨安が起きているが、資源のある国の通貨に対してはやはり弱い。円安がかなり進行しているということだ」
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