「身寄りのない単身高齢者」への包括支援を強化 負担増の現役世代から懸念も EXIT兼近「社会保障は将来の自分のため。不満が出るのは信用がないから」

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■身寄りなき単身高齢者の支援を強化

増加する「身寄りなき単身高齢者」
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 「身寄りなき単身高齢者」が増加している。自民党・社会保障制度調査会プロジェクトチーム(PT)の提言によると、単身世帯は2020年の38%に対し、2050年は44.3%に。75歳以上の人口は2025年に約2135万人と、総人口の17.3%となった。また引き取り手のない遺体(自治体が取り扱い)は、2023年度に約4.2万人。家族が担ってきた見守り・入院手続き・死後対応を誰が支えるのかが問われている。

 そこで6月19日に成立したのが、社会福祉法等の改正だ。身寄りなき高齢者等の支援として、「第二種社会福祉事業」を創設。日常での定期的な見守りや金銭管理、身元保証が必要な施設への入所手続き、死後の葬儀や納骨・行政届け出など、資力が乏しい人も無料・低額で利用できる形へ変わる。

 法整備化に尽力した自民党「幸齢社会」PT幹事長の坂井学衆院議員は、「今までの制度は、家族がいることが前提だった。しかし家族がいない単身者が増え、その対応コストが大きくなり、制度がうまく回らなくなってきた」と意図を説明する。

 そして改正内容については、「今回は厚労省が担当する社会福祉法の観点で強化した。従来は判断能力が不十分な人を対象としていた事業に、頼れる身寄りがない高齢者を含めた。日常生活支援に加えて、入院・入所手続か、亡くなった後の死後事務の支援を提供できる。対象を確定し、メニューを増やし、無料や低額で『これが使える』と明示したことが柱だ」と説明する。

 実際にその役割は誰が担うのか。「地域包括支援センターなどの介護施設と、必要とする相談者をマッチングさせる機能は、すでに持っている。コーディネーターからサービスを紹介され、必要なものを受けられる」。

 単身高齢者への終身サポート事業を行っているNPO法人「りすシステム」代表理事の杉山歩氏は、「死後事務支援で言えば、大豪邸でもすべて公費で処分するのか。見守りも人によって程度が異なる。電話をかけるだけで済む人もいれば、定期的に行かないといけない人もいて、一律ではない。地域包括支援センターは、今は身体の状態が悪い人にしかサービスを提供できないが、元気な人にも広げると人材が足りなくなる」との課題を示す。「大事だと国が理解して、法律が変わったのはいいことだが、現実的には可能なのか」。

 坂井議員は「事業者のようなフルサポートは、おそらく提供できない。最低限必要な部分は支えるが、あたたかく安心な包括的フルサポートは、なかなか難しい。2028年からスタート予定のため、それまでに中身を詰めていく」と話す。

 東洋経済総編集長の山田俊浩氏は「身寄りが亡くなると、一番の問題は片付けが大変なこと。不動産業者は経済合理性の面で、見守りに対して支出してもいいのではないか。万が一そこで亡くなり、1週間放置されれば、非常に瑕疵(かし)が生じる。不動産業者が必要経費として担う仕組みにすれば、国民の負担にはならない」といったアイデアを提案する。

 坂井議員は「見守りについては、ICT機器を設置すると、電気の使用情報などが入ってくる。大家が情報を受け、確認する仕組みはあり得る」と話す。

 一方で杉山氏は「若くてもリスクはある。風呂で亡くなる40代も多い。必要なのは見守りシステムの導入ではなく、その情報をどこが受け取り、対応するか。最近では自治体がセコムやALSOKの機器を安価や無料で設置しているが、緊急通報時に権限のある“キーパーソン”につながらないと意味がない」と、仕組みとして不十分な点を指摘する。

■現役世代が高齢者になるころまで続かない?
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