言論空間の健全性を揺るがす現象として、静かな多数派と声が大きい少数派の存在がある。 この問題の構造に関しては、「ノイジーマイノリティとサイレントマジョリティの問題があり、これは難しい。サイレントマジョリティは、ごく当たり前のことに対して『その通りだと思う』『そうだ、そうだ』みたいなことをわざわざコメントをする人は少ない。だから実はみんな納得している話なのに、その納得感が可視化できない問題がある」と指摘した。
声が大きい少数派、すなわち一部の意見であるにも関わらず全体を代表しているように誤認される問題については、「ノイジーマイノリティの問題は、多くの人は賛同してるはずなのに、一部の人がすごく反対していて、そういう人たちはものすごい量のコメントを書く。それが可視化された中では、さも一部の意見がマジョリティであるかのような誤解を生み出しかねない。そういった問題が生じている」との見方を示した。
プラットフォーム運営において、これらの課題に対する具体的な技術的・運用的アプローチも模索されてきた。
サイレントマジョリティの声を反映させる対策に関しては、「常に改善に取り組むようにしている。サイレントマジョリティの人たちも、意見するほどではないけど、賛同するような意見があったら『いいね』を押せるようにしたのも、その一つ」と説明した。
多角的な視点を見せる方法としては、「多様性フィルターのようなものを作った。例えばコメントが3件表示される場合、その3件の中に様々な意見が出るようにしている」と取り組みを明かした。
意見のグラデーションに留まらない、より深刻な権利侵害への対処も求められてきた。ネット上の誹謗中傷の問題は、「やはり誹謗中傷だ。匿名性がゆえに、心ない一言を言えてしまう。ニュースの当事者の人たちを傷つけるようなこともたくさん起きている」と指摘する。
運営側の対応も変わってきた。「誹謗中傷に関する法律ができたことによって、違法に見えるコメントを削除できるようにもなった。発信者情報開示請求に応じることもできるようになった。AIが進展したことによって、法律に引っかかるレベルの誹謗中傷コメントは、ここ数年でどんどん削除できるようになった」と説明した。
今後のコメント欄やネット文化のあり方には、「双方向性は不滅だと思う。自由な民主主義体制がある限りは、何がしかの情報に対して、それに反応をする、自由に意見を述べる、反論するのは、とても重要な権利であり基盤。そういったものを多くの人が使うYahoo!ニュースとかLINEニュースでは、健全に発展させていってもらいたい」と結んだ。
(ABEMA『ふたりぼっちのアベプラ』より)
