2040年までに370兆円、どう使う?高市政権「骨太の方針」を関係者が解説 識者からは規制緩和を熱望する声 ひろゆき氏「Uberが先進国で使えないのが日本ぐらい」

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■骨太の方針は「グローバルスタンダード」への転換

骨太の方針
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 骨太の方針の原案策定を進めてきた経済財政諮問会議のメンバーで第一生命経済研究所の永濱利廣氏は、「一言で言うとグローバルスタンダード」だと説明する。「経済安全保障の重要性が高まる中で、民間だけに任せていては進みにくい重要な分野が出てきた。そういったところに政府が一歩前に出る。ただ、全部政府がやるわけではなく、設備投資の優遇税制なども使って民間の投資を促し、国内の供給力を高める」と述べる。

 財政運営については、「これまでのプライマリーバランス黒字化の一本足打法はガラパゴス化している。例えばプライマリーバランスが黒字でもコロナ前のイタリアは全然財政が良くならなかった。財政運営を国際標準で多角的に見ていく」と方針転換の意図を語る。「責任ある積極財政」の指標については、「債務残高対GDP比のトレンドが下がっていれば財政の持続可能性が担保される。その範囲内での投資に抑えるということだ」と説明。2040年までに名目GDPを1100兆円規模、名目設備投資を230兆円規模とする数値目標も示されているとした。

 衆議院内閣委員長でもある山下貴司氏は、今回の骨太の方針の最大のポイントとして「単年度主義からの脱却」を挙げる。「これまで予算は1年ごとのぶつ切りで、企業は予測可能性がないから長期的な大きな投資ができなかった。多年度にわたる長期投資の見通しが示されることで、企業投資の呼び水になる」と説明する。日本企業の現預金が日銀統計で360兆円に上り、バブル期の倍以上・ドイツの3倍にもなることを示し、「投資がなかなかできない理由の一つとして、政府がしっかりとした複数年度の政策目標を立ててこなかったことがある」と強調する。また、日本への外国直接投資がGDP比でOECD加盟国最低水準にある現状について、「単年度主義の弊害で、1年ごとに変わる政策では信用できない。だから15年かけてしっかりとしたビジョンを示すことを初めてやった」と語る。

 グローバルパートナーズ代表・山本康二氏は、「1960年の国民所得倍増計画以来の大きな挑戦で、30年待ってようやくきた、と応援したい」と期待を語り、「このまま何もしなければ日本は本当にやばい。3%成長は外貨獲得しかない。世界の人口が今世紀100億人弱まで伸びる中で、その100億人から1万円取れば100兆円だ」と訴える。「ただ15年後に若いリーダーも育てて、命がけでやってほしい。クリーンな仕組みで癒着問題もちゃんと平行して解決し、国民が団結してやるしかない」と述べた。

 経済学者で高崎商科大学専任講師の柿埜真吾氏は、「成長投資が日本に足りないというところは同意する」としながらも、「官民一体となった投資という形が過去に失敗した歴史がずっとある。それが今回うまくいくのかには懸念を持っている」と指摘する。

 産業政策の正当性については、「国が発展する産業を選び出せるという発想が前提になっているが、例えばスマホゲームがヒットすると分かっていれば民間がお金を出すはず。国が何かしないとできないというのは、そこに市場の失敗がなければ正当化できないはずだ」と述べる。また、「5カ年計画でソ連が世界一の国になったかというとそうはなっていない。ホンダが自動車産業に参入しようとした時、通産省は阻止しようとしたが、本田宗一郎氏が抗い国民世論が後押しして参入できた。日本の高度成長期は産業政策が失敗した分野で成功しているということが実際あった」と歴史的な事例も挙げて懸念を示す。

 複数年度の予算策定については、「それ自体は良いことだと思うが、複数年度でやってこなかったから日本が成長しなかったとか企業が投資しなかったとは言えない。そういう予算を古くから組んでいる国でもすごくうまくいっているというわけではないから」と語る。そのうえで、「労働市場改革や中小企業の保護政策を変えていかないと、成長産業が発展するためのリソースが動いていかない。やろうとしているのであれば、ぜひやってほしいという話をしている」と述べた。

■「規制緩和なしに3%成長は相当難しい」
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