■省庁の「自己点検」で廃止はたった1件に…
日本維新の会で今回の見直しに関わる青柳仁士衆院議員は「1件だけという結果にはがっかりだ」としつつも、「第1ラウンドということで、国民のみなさんから削減のアイデアが3万7000件出てきた。これを省庁のみなさん自分たちで見直さないのかと1回突きつけてみた段階だ。本丸はこれから」と語る。
今後の方向性として青柳氏は、補助金・基金・租税特別措置を「国民からお預かりしたお金を国民のために投資するもの」として再定義し、ゼロベースで見直す必要性を説く。「そのリターンは何か、本当に国がやらなければいけない事業か、どういう状況になったらその補助金をやめるのか、ポートフォリオはどうなのか、国民に対して透明性を持って説明できているか。こういったことを考え直そうと今提案している」と述べる。
また、国の財政状況への危機感も示す。「政府は消費税減税で10兆円、防衛費増額で約6兆円、370兆円の官民投資と、お金を出す話しかしていない。マーケットが怖くなって円安・物価高・長期金利上昇につながっている。財政が健全化するための具体的な努力はこれしかないわけだから、しっかりやらなければいけない」と強調する。
元経産省官僚の石川和男氏は、自己点検という座組そのものに根本的な問題があると指摘する。「自分の担当しているものが必要か不要かと問われて、『不要です』と言う奇特な奴はいない。自分でそういうことをやって次のポストで飛ばされた経験もある」と明かす。
さらに構造的な問題として、租税特別措置が法律である点を挙げる。「役人の目線から言えば、自分たちは無駄ではないと言うが、もし本当に無駄だというなら国会で削減してくれということになる。予算は補助金・交付金として国会に上程され可決成立するものだし、租税特別措置も法律だ。省庁が自ら廃止を言い出しにくい仕組みになっている」と説明する。
また、減税や補助金はもともと業界側の要望を受けて実現したものであり、守りたいという動機が働くと指摘する。「やめる理由を説明するのも大変で、作った時からの変化を言わなければならない」と分析する。
打開策として石川氏が提案するのは、首相主導による数値目標の設定と、政治家同士による公開審査だ。「総理が『全体で1割削減、できなければ大臣クビ』ぐらいのことをやって数値目標を掲げ、細かいところは各省に削らせる。そうでなければ進まない」と述べる。また、民主党政権時の事業仕分けについては「政治家と官僚でやらせたのが問題だった。官僚に決定権はない。自民党と維新の会の議員を片側に並べて、反対側に大臣・副大臣・政務官を並べ、政治家同士でテレビカメラの前でやらせる。そういう見える化をしないと分からない」と具体策を示す。
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