■「いつの間にか皇位継承の議論に」「メディアの責任も」ジャーナリストが指摘
この国会の動きに対し、浜田氏は改正案の内容だけでなく、そのプロセス自体に強い問題意識を投げかける。
「改正案の中身についても非常に問題が多いと思っている。ただ今回はそれ以前に手続論としても非常に問題が多い。本来は、立法府の総意としてまず正副議長案があったが、正副議長案では言及されていない部分が政府案になっていく時に、どんどん既成事実化していった」(浜田氏、以下同)
「例えば、養子縁組をした男子の子どもの皇位継承権の問題などが突然出てきた。多くの方は『え?そういうことだったの?』と感じたと思う。最初は、公務をする皇族の方の数が減っていて負担が大変だから皇族数の確保をしましょうという議論だった。ところが、いつの間にか皇位継承の議論になっている。そうだったら皇位継承ももう少しちゃんと議論してほしいのに、時間切れのような形で今審議が進んでいる。違和感というよりも大きな憤りを感じる」
さらに、各社が行う世論調査の結果を提示しながら、国会の議論と国民の意識との間にある大きな乖離を指摘する。
「立法府の総意でもないし、さらに言えば、今多くの世論調査で女性女系天皇も認めてもいいのではないかという人が7〜8割にのぼる結果が多い。国民の総意と国会での議論の内容が非常に乖離している。『私たちの意見はどこで反映されるの?』という思いを持っている人が多いのではないかと思う」
浜田氏は続けて、このようなスピード審議を許してしまった背景には、メディアの報じ方にも大きな責任があると指摘する。
「私はメディアの責任もすごく大きいと思っている。高市(早苗)総理が前のめりに『これをやるんだ』と言っていた時から、もう少し早めにメディアが大きく報道していたら、国民の人々が『今何が起きているのか』『どういうことが議論されているのか』『本当に男子男系の根拠は歴史的に正しいのか』などもっと知る機会もあったと思う。ただ、テレビや新聞が本格的に報じ始めたのが遅かったと思う。途中で天皇陛下が『国民の理解を求めたい』と発言された頃くらいから、やっと尺を取ってしっかり報道するようになったが、やはり時間が短い。もう少し議論を深めて国民の理解も得た上で進むのが普通なのに、すごく拙速に進めていると思う」
野党だけでなく「国民への騙し打ち」水面下で進められた皇位継承議論の裏側
