■江戸時代の着こなしは「ぐずぐず」?歴史に見る着物のあり方
こうした「着物=守るべき厳格なルールがある」という現代の認識だが、着物が普段着だった時代はどうだったのか。
18世紀、江戸時代中期に制作されたとみられる『風流四季哥仙 竹間鶯』(鈴木春信)を見てみると、そこに描かれている女性の装いは、帯の間から着物が大きくはみ出しており、現代の「おはしょり」からはかけ離れている。
月岡氏は次のようにコメントした。
「今の着物警察の人の価値観からすると結構ぐずぐずですね(笑)でも昔の人は着物を着て生活をしていたのだから、いろいろと動いてやっているうちに着崩れてくるのは当たり前だと思う」
さらに、江戸時代後期に制作されたとみられる『豊歳五節句遊 七夕』(歌川国貞)では、帯の赤と黒が美しく見えるように裏表で異なるコントラストをアピールした結び方が描かれている。
着物に詳しいイラストエッセイストのtomekko氏によると、当時は「ファッションリーダー」であった歌舞伎役者の斬新な帯結びを、一般の庶民が真似て楽しんでいた、ということで、これもその流れを受けたものかもしれない。tomekko氏は、「着こなしや小物の使い方は、その人がやりやすいように変えたり、誰かがやって『いいね』となったら流行したり、というのを繰り返してきたのでは」との見方を示した。
和服への支出は40年で10分の1以下に…
