■専門家が危惧する止まらない原油価格の高騰、日本への影響は「最低でも2年」
イラン情勢が落ち着けば下落し、攻撃が再開すれば上昇するなど、激しい変動を繰り返している原油価格。そんな中、歴史的な円安水準となっている日本の今後の見通しについて、崔氏は懸念を示す。
「私は最低でも(マイナスの影響は)2年は見ておいた方がいいのではないかと思っている。仮に原油が(1バレル)105ドル、そして円安がここから10%さらに安くなると、(1ドル=165円換算で)2026年度末の時点で3%以上物価が上がってくるのではないか。仮に円安が少し落ち着いたとしても、今起きている円安はだいたい1年半後くらいにピークをつけてじわじわ効いてくる」(崔氏、以下同)
さらに影響が心配されるのが、24日から始まった新たな“トランプ関税”。60の国と地域が対象で、日本の税率は12.5%。既存の関税と合わせて12.5%を超えないとする特例措置が盛り込まれている。
ニューヨーク・タイムズは、「戦争と関税が打たれ強いアメリカ経済を再び脅かしている」と題した記事で、戦争の長期化と関税の影響を分析。関税の変更による物価上昇によって、世帯当たり年間で平均およそ18万円の負担が増加する可能性があるとしている。多くの有権者が世論調査に対し、トランプ大統領氏の政策課題への不満や紛争の現状に対する不快感を示す中、高い関税率が苦境に追い打ちをかけるという専門家のコメントも紹介。しかし、自動車工場を視察したトランプ氏は…。
「私の方針は単純だ。もし外国でトラックや車を製造し、アメリカに持ち込んで巨額の利益を得ようとするなら、その“特権”に対する対価を支払わなければならない。しかしアメリカに工場を建て、自動車やトラックを製造するなら税金も関税も一切かからない。支払いはゼロ。関税はゼロ」(トランプ氏)
このトランプ大統領の関税政策について、崔氏はかえってアメリカ国民の負担が増えていると指摘。更に日本へのマイナス影響について解説する。
「関税の負担は誰が払っているんですかと言えば、アメリカの輸入価格に転嫁されて、結局はアメリカ企業と消費者が大きく負担しているということが研究でも多数報告されている。そうするとアメリカの中央銀行がさらに政策金利を引き上げる。でも日本は相対的に政策金利を上げにくいという構図になると、ますます円安が加速して、日本の輸入物価や、実質賃金の低下、個人消費の減少という形で波及する可能性はある」
様々な法律を書き換えてまで関税をかけようとするトランプ大統領。三牧氏も、トランプ大統領が自らの看板政策に「固執」している現状を厳しく指摘する。
「この関税政策はアメリカ国民にも利益をもたらしていない。さらにこの関税を通じていろいろな製造業がアメリカにどんどん戻ってきていると主張するが、そんな兆候は確認されていない。やはりトランプ大統領は看板政策として掲げてきたので、これに固執している。先日もカナダで山火事が起きて、その山火事の影響がアメリカに及んでいることへの報復として、50%の関税をカナダに対してちらつかせるなど、同盟国との関係もこの関税政策によって随分傷ついているところがある」(三牧氏、以下同)
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