上野六段は前局に続いて本局でも相掛かりを志向し、盤上は互いの構想が激しくぶつかり合う力戦調の展開へと進行していった。一手指すごとに形勢が揺れ動く大熱戦となったが、後がない大阪の命運を一身に背負う上野六段の集中力は凄まじかった。極限のプレッシャーの中で的確な好判断を重ねて優位に立つと、迎えたクライマックス。敵陣のただのところに放り込む絶妙な「▲6三銀」を放ち、勝負を決めにかかった。
わずか1秒で放たれたこの華麗な捨て駒に、両軍の控室は騒然となった。北関東の三枚堂達也七段(33)が「えー!そんな良い手があるの!?」と驚嘆の声を上げ、同チームの佐藤天彦九段(38)も「うわあ…、なるほど…」と脱帽。解説陣も「美しい一着」と大絶賛する輝き放つ銀打ちに、大阪控室の斎藤慎太郎八段(33)は「素晴らしい!」と満面の笑顔を浮かべた。畠山鎮監督(57)も「うわー!すごい切れ味やな!」と大興奮。これを見た羽生九段は静かに投了を告げ、93手で上野六段が白星をもぎ取った。
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