■「ともに被災者だし、裁判までは…」災害ADRの仕組みと特徴
「震災によって瓦が落ちて他人の家に迷惑をかけてしまった」あるいは「塀が倒れて隣の家の車を壊してしまった」など、震災を原因としたトラブルが発生した場合、どう対応したらよいのか。双方が被災者でもあり、また近隣であれば裁判にするのもためらわれる。
そんな場合に和解という穏やかな解決に向けて支援するのが、熊本弁護士会が開始した災害ADR(裁判外紛争解決手続)の制度だ。弁護士が間に入り、双方の言い分を聞いた上で和解に向けた案を提示するなどで、解決を援助する。
通常のADRと同じく、災害ADRでも申し立てから解決までの手続きは裁判に比べてシンプルだ。また、災害ADRならではの特徴として、申し立て手数料が無料、和解成立時に発生する成立手数料も事情に応じて減額される場合がある。一方で、和解を前提としているため、相手側に話し合いに応じる意思がない場合は手続きが進まず、制度を利用できないという注意点もある。
この制度について、川口氏は「知らなかった」とした上で、「お互いが被災者という状況の中で、どうコミュニケーションを取っていけばいいのか苦慮する時に、第三者として、しかも専門家の立ち位置で入っていただけるのは非常にありがたい」と評価した。
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