■孤独死予備軍は男性に多い コミュニティに溶け込みにくい高齢男性への対策
多世代共生型住居「ノビシロハウス」代表・鮎川沙代氏は、仕組みをこう説明する。「年齢制限を上にも下にもしていないという特徴があり、そのせいで高齢の方で一人暮らしを好む方が多く入ってきてくださっている。高齢者が入居した場合は、若い入居者が定期的に声をかけたり、月に1回お茶会を開いたりする役割を担う。全住戸の約2割をその役割を担う部屋とし、その部屋の若い入居者は家賃を半額にしている」。通常7万円の家賃が3万5000円になる仕組みだ。空室率はほぼゼロで、6年目を迎えた現在、2030年末に100棟を目指している。室内にはIoTセンサーも導入し、12時間動きがなければアラートが届く「デジタルとアナログを活用した」体制を整えている。
入居者の男女比について、鮎川氏は「若者は男女均等だが、高齢の入居者は女性が圧倒的に多く、男性は1~2割」と述べる。現在92歳の男性入居者は、88歳のときに介護施設を「自立しているから」という理由で退去させられ、他に借りられる賃貸が見つからず入居したケースだ。当初2年間は声かけへの参加も拒んでいたが、定期借家契約のルールを根拠に「お茶会に参加しないと再契約できない」と背中を押したところ、今は楽しみにしてくれていると鮎川氏は説明する。「背中を押すことも大事だと気づかされた」と語った。
文筆家・佐々木俊尚氏は、高齢男性がコミュニティに溶け込みにくい問題を指摘する。「登山をしていると、高齢の女性はみんなグループでいるが、高齢の男性は必ず1人でいて挨拶してくれない人が多い。だんだん歳を取ると孤独になってくるのが男性で、そういうコミュニティ的な住まいをすると仲良くなれないという問題がある」。
解決策として「同じ趣味の人を集める」などのアプローチに加え、住まいの設計として「コレクティブハウス」の可能性を示す。「コモンリビング・コモンキッチンという共有空間があって、その周りの家がそれぞれバス・トイレ・キッチンを別に持つ形で、シェアハウスよりも距離を少し置ける。距離の取り方をうまく設計することが今後一番重要な問題で、その設計さえちゃんとやれば孤独なおじいさんでもうまく住める仕組みは作れるのではないか」と述べた。
葛西氏も男性の孤独死問題に言及する。「孤独死の比率が出ているが、男性が圧倒的大多数。8日以上見つからない(孤独死)のも、男性が圧倒的に多い。団地の中で居場所づくりをする時に女性はカフェに集まってくるが、男性の場合は集まってこないので、DIYの工房を作って集めたら黙々と作業していた、という話を聞いた。会話はしたくないけど、やることがあればちゃんとやる。ワイワイすることが目的じゃなくて、行きがいがあるということの方が重要なので、いろいろな場所を作るということが必要」と説明した。
(『ABEMA Prime』より)

