——めちゃめちゃ刺さっていますね。でも、とてもわかります。
小清水:二周しても同じ考えしか出せず解決しないのに考え続けているだけの時間って、立ち止まっててそれ以上は一旦成長性が見込めない。だから、置ける強さと言うのかな。考えてる課題を一回置いちゃう、でも捨てるわけじゃなくどこかに持っている上で前に進める状態が、つえーって思って(笑)。
一同:(笑)
小清水:そうすると、意外と近い未来に答えに繋がる出来事や他人との会話があって。置いているからこそ前に進めて、別の楽しい事をちゃんと楽しめて。私はそんなメリハリみたいなものをとても大切に生きています!
下野:あと、寝る事もけっこう大切だよね。答えが出ないときこそ、寝るという行為によって脳が勝手に取捨選択してくれて、悩んでいたけれど朝起きたら「こうしたらOKじゃない?」と思える事もけっこうあるから。
小清水:うんうん。これ以上考えても答えは出ないなら「今日はここまで! これ以上は無理!」って切り上げちゃう。単純に経験が足りない可能性もあって。やってみて失敗しても、失敗のダメージ量や影響のデータが取れるのはプラスだから、今後その経験を踏まえて計算も成り立っていくというか。経験がないとわからないから、怖いし逃げられないって自分を進めなくさせてるみたいな。
鈴木:桶を落としたムハンマドにつながりますね。
下野:そういう意味では潔さは大切だよね。考えるときに考えて無理だと思った時にやめる潔さは、確かに必要だと思う。だって無理なんだもん! これ以上考えたって!
鈴木:自分が好きかどうかで考えてもいいですよね。選択肢がいっぱいあるなかで、自分が一番好きなもので選ぶ。
下野:それも大切だね。その方が興味も持てるしね。
——私もそうですが、好きな事や興味があるものを仕事にする事で、人生の知識や経験を好きなもので積み重ねられていく幸せがあるといいますか。一生かけても理解出来るかどうかわからない事を追求しているともいいますが。
関根:役者をしていると、自分の演技に満足出来る日は来ないよというお話もよく聞きます。収録後、「もっと出来たかもしれない……!」って思いながら帰るタイプなのですが、絶対満足する日は来ないのだったら、いちいちクヨクヨしていてもしょうがないから、とにかく勢いでやってみようという気概を持てるようにならなきゃなって思えました。
知識も大切ですが、経験をした時に得るものも大切だから、学びながらちゃんと経験も積んでいく。そういう意味では、シタラももちろん経験しているのですが、どちらかというと知識に固執しているなって思うところもあって。
オゴタイ様は慣習や知識に固執せず柔軟な考えを持った人だなと感じていて、この人に立ち向かうのかと思うと「シタラ、大変だぞ!」と思います。同じように私自身も凝り固まらないように、柔軟でいなきゃと感じました。
小清水:それもまた一つの経験だものね。(齋藤に対して)どう? 若者よ!
齋藤:そうですね……僕は自分の経験というよりも、先輩方に質問をしてその方の人生から意見をたくさん聞ける立場なのですが、自分の中でいろいろな道は広がっているはずなのに、受け身になってしまっている事で一歩踏み出さないと知れない事があって、自分自身にしっかり繋がっていなかったのだと反省しました。
だからとりあえずやってみる事、自分のなかの悩みは考えつつも大事な時にはいっかい振り払って、表現者として立つ時は、その責任を全うしないといけないのだなと感じました。
下野:ムハンマドが「先生が言っている事」ではなくて「僕はこういう事がしたい」と思って行動したように、いろいろな人から知識や経験談をいっぱいもらったら、自分の中で「正しいと思うもの」と「正しいと思わないもの」を選んでいかなければいけない。
いまみんなが好き勝手しゃべっている事も、自分の中では違うという瞬間があるかもしれないけれど、選んでいくのはやっぱり自分なんだよね。
齋藤:それはその考え方を実践してみて、自分の体のなかに残った感覚を第一に優先するという事ですか?
下野:そう。だからそれこそ好きなものや苦手なもの、得意不得意という事を自分で感じていくという考え方。時に逃げてもいいし。
小清水:そうそう。自分の意見とは違うなって思っても「そうなんですね!」って同意して聞ける方が、自分の物差しに偏らない情報がいっぱい収集出来て得だから。
下野:急な処世術! 俺としゃべってるときに「そうなんですね!」って言ってたら「……本当にそう思ってた?」って家帰ってから考えちゃうじゃん!
小清水:そんな深く考えなくていいんだよ!
一同:(笑)
それぞれのキャリアに応じた考え方、経験して学ぶ事の大切さが垣間見えるトピックだったのではないだろうか。2026年7月から放送中のTVアニメ『天幕のジャードゥーガル』を見て、何を感じるのか。自分の中に湧き立った感情や考えを大切に、本作を楽しんで欲しい。
取材・テキスト/kato
(C)トマトスープ(秋田書店)/天幕のジャードゥーガル製作委員会




