■「落ちた=否定」ではない 現代の転職活動とは
それでもスカウトが来た企業に落ちてしまった場合、どのように受け止めればよいのか。小堀氏は「落ちたとしても個人の可能性が否定されたわけではない。志向性や経験が合わなかったということ」「スカウトは採用のゴールではないので、受け身で評価を待つのではなく、自分自身も企業を見極める意識で」と話す。
これに対し川口氏も「売り手市場なのだから、こちらが見極めてあげるぞくらいの感覚で行くのがちょうどいい。合う合わないの相性の話だ、という認識を持つことがポイント。入社後に社風が合わずに辛い思いをするくらいなら、先に見極められてよかったと思った方がいい」と同調する。
さらに小堀氏は、「企業側にとってもスカウトの段階で確認できる情報は限定的。採用時は社風や価値観との相性、任せたいミッションを遂行できるかなども重視している」とした上で「スカウトや選考は合否を判断する場ではなく、お互いの可能性や将来像をすり合わせる機会」と語る。
川口氏は「採用過程はすごく時間が短く、少ないタッチポイントの中で決めなければならない。自社に応募してくれている人は、並行して他の会社にも応募しているだろう。こうした事情もある中で企業側もベストエフォートをしていくしかない」との見方を示した。
スカウトサービスには、自分の価値を知るメリットもあるが、本当に自分にフィットした転職をすることが目的であれば、スカウトだけにこだわる必要はない。
川口氏は「大型のサービスに登録したからといって、数が多ければいいわけではない。職種や年代に特化したサービスでのマッチングの方が、実は最短ルートだったりすることもある。また、周りの人たちによるリファラル採用(紹介)も増えている。いろいろなやり方を取り入れていくことで、より確度が上がるのではないか」と多様な選択肢を提示する。
さらに、「採用時はスキルなどを見がちだが、企業・受け入れる側のカルチャーに合うかどうかが大事。うちの会社でも、スキルよりもカルチャーフィットで見ようという採用ルールを設けている。“うちの会社はこういう人”という基準値を合わせることもミスマッチを防ぐきっかけになると思う。企業側も見極め、求職者側もエージェントに限らず、いろいろな人とコミュニケーションを取りながら自分に合ったものを見つけていくのが現代の転職活動なのでは」と締めくくった。
(『わたしとニュース』より)
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