被災者が今、求めるものは…
八代市鏡町は震度6強を記録。「お地蔵さんだけが残ってます。お花置いてくれてる、優しい」「鏡は、そう考えると水の街ですね」とつぶやく池田氏。近所には大きく傾き、赤い「危険」の張り紙がされた家や、窓が外れたり、屋根が崩れていたりする建物もあった。
「エアコンの室外機があったってことは、住んでたんですよね」と話しながら歩くと、目前の路上には、がれきが広がっていた。「塀が落ちてる」。
池田氏は、地元で働く同級生のことが気になり、肥後銀行鏡支店を訪れた。同級生が左腕に包帯を巻いているのを見て「大丈夫?」と近寄ると、「大丈夫、軽傷。みんなに比べたら。鏡がこんな状況で」。池田氏が「本当にショックで、さっきから」と言うと、同級生は「見慣れた町並みが、懐かしい町が……。うちもあんな状況だし」と返す。
そして「今、何が欲しい?」と質問すると、「なんだろう?……時間と体力。もう頭がパンクしそう。あれもこれもやることがあって」と応える。すると池田氏は、「唐揚げ弁当食べる?要らない?買ってきたんやけど、持ってきたけん。ちょっと待って」と、店の外へ取りに行き、手渡した。
その足で、お世話になった同級生の両親にも会いに行く。抱き合った同級生の母親は、「何十年ぶり。立派になって」と再会を喜ぶ。そして「歳とってからこういうのは疲れます。10年前の70歳と、今の80歳はだいぶ体が違う。30歳くらい違う、動きが」と話した。
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