■元官僚が明かす“パブコメの裏側”
パブリックコメントは、2005年に法制化された制度で、行政が新しいルール(政令や省令)を定める際に、事前に広く意見を募る仕組みだ。
制度化の背景には、政令・省令づくりを担う有識者会議(審議会)への批判があった。かつては有識者会議で固めた方針を官僚が条文に落とし込む形で、政令・省令が作られていた。だがこの会議が「結論ありき」で密室性が高いと問題視される。そこで導入されたのがパブコメ制度だった。
しかし、これは“表向きの理由”にすぎない、そう語るのが、元官僚の石川和男氏だ。石川氏によると、内容は有識者と官僚による事前議論の段階で“99%”中身が固まっており、いざ施行直前の最終段階で意見を募っても、そこから修正が入ることはまずないという。
国・自治体のパブコメ制度を調査研究する四日市大学の松井真理子教授は、制度が抱える課題を指摘する。まず一番の問題として、意見を聞く募集のタイミングが遅すぎる点だ。方針が固まった段階で意見を聞いても政策に反映されることはないため、真面目に意見を出した人ほど強い無力感を抱いてしまうという。
さらに、認知度の低さも深刻だという。制度自体を知らない人がほとんどであり、関心の薄いテーマでは「パブコメ0件」も珍しくない。また、提示される資料や募集ページが漢字や専門用語ばかりで「分かりにくすぎる」ため、国民が内容を理解して意見を出すこと自体のハードルが高い。募集期間も基本的には30日間程度と短く、提出された意見に対するフィードバックも欠けているため、本質的な批判意見ほど聞き入れられないという実体験を語った。
■国民の声を反映させるアップデート案はこんな記事も読まれています

