プーチン大統領の北方領土初訪問、その真の狙いは? 専門家が読み解く「軍事拠点」としての価値と領土問題の行方

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■ロシアが手放せない理由、「国後水道」という軍事の要衝

北方領土問題
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 日本側が返還を求め続ける一方で、ロシア側が実効支配を強める理由について、廣瀬氏は経済的メリット以上に、軍事・安全保障上の絶対的な価値があることを強調する。

 「(北方領土近海は)世界最大級の漁場であり、経済的メリットもあるが、ロシアにとって直接的に一番重要なのは、大きな島である択捉島と国後島です。冷戦が終わった今となっても、ロシアにとってアメリカは一番重要な仮想敵国。アメリカと対峙するために太平洋に出るということが非常に重要だが、ロシアの戦艦や潜水艦が通れる場所があの辺りにはない。非常に水深が浅く、唯一通れるところが『国後水道』という択捉島と国後島の間のみだ」と、地理的条件の特殊性を説明した。

 その上で、「潜水艦が通れるところを維持できないと、対米戦略がきちんと維持できない。軍事的な意味合いからも、ロシアは少なくとも択捉島と国後島は絶対に渡せない」と、ロシア側の譲れない安全保障上の事情を指摘した。

 また、他の出演者からは日本国内における歴史認識の風化についても議論が及んだ。政治学者の岩田温氏は、「ソ連が一方的に攻めてきたというのは、日ソ中立条約を無視した明確な国際法違反。日本とロシアの関係に関して言うならば、一方的に日本が被害を受けた。ここを我々は忘れてはならない」と、歴史的経緯の重要性を訴えた。

 一方、北海道出身のEXIT兼近大樹は、「僕が子どもの頃、地図を書くときに『絶対に北方領土も入れろ』と教わった。しかし、世代が下がるにつれて関心も薄れ、当たり前のように『ロシアが占拠しているからあそこはそういうものだ』と思いながら生きている若い人もたくさんいる」と危惧し、「前提となる知識がお互いの国民同士で共有されていないため、事実を誰も知らないままになっている」と、世代間での認識のズレに言及した。

■現実的な落としどころは?国力変化を見極める柔軟な姿勢
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