盤上の激闘をさらに熱く、そして深く彩ったのは、解説を担うトップ棋士の“言葉”だった。8月15日に生中継された将棋の早指し団体戦「JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026」準決勝第1試合、TDIルシーグ横浜と中国・四国ナヴィセトスの対戦。盤外の駆け引きも白熱した激闘の末、中国・四国が5勝1敗の圧倒的なスコアで決勝進出を決めたが、視聴者の心を鷲掴みにしたのは全対局の解説を担当した渡辺明九段(42)の冴え渡る分析力だった。
今大会の渡辺九段は、左ひざのケガの療養のため惜しくもプレイヤーとしての出場を辞退している。しかし、大会前の優勝予想番組に出演するなど、裏側からこの新生地域トーナメントを強力にバックアップしてきた。そして迎えたこの準決勝第1試合では、長丁場となる全対局の生解説を担当。持ち時間が削られる新ルールの入札戦略から、超早指しの中でトップ棋士たちが描く一瞬の構想まで、視聴者の痒い所に手が届く“神解説”を連発し、大一番の緊迫感を余すところなく伝えきった。
試合は、横浜監督の森内俊之九段(55)が勢いに乗る中国・四国の新鋭、吉池隆真四段(21)を下して先制。しかし、無敵艦隊の異名をとるナヴィセトスはここから容赦なく牙をむく。第2局で増田康宏八段(28)が阿久津主税八段(44)を破ると、続く第3局では菅井竜也八段(34)が斎藤明日斗六段(28)に快勝。さらに第4局で糸谷哲郎九段(37)が伊藤匠二冠(叡王、王座、23)を鮮やかな即詰みに討ち取り、第5局では藤本渚七段(21)が岩村凛太朗四段(20)との若手対決を制覇。最後は第6局で菅井八段が森内九段を下し、怒涛の5連勝で勝負を決めた。
「今日イチは渡辺さん」「MVPはなべ」「なべ来週も来て」こんな記事も読まれています

