しかし、いざ対局が始まると、盤上には一切の妥協を許さない真剣勝負が広がる。横歩取りの出だしとなった本局は、後手番の佐々木七段が鮮やかな飛車切りで一気にギアチェンジ。相手の隙を突いて優勢を築くと、そのままリードを拡大して80手で快勝を収めた。敗れた三枚堂七段は局後、「ちょっと横歩取りっていう戦型が意表ではあって、定跡を思い出すのに時間を使ってしまって、しかも思い出せないって悪循環で、ちょっと見どころなく負けてしまったので、反省しています」と悔しさをにじませた。
盤上では明暗が分かれた二人だが、その絆の深さは将棋ファンの間では有名だ。佐々木七段が2023年に初のタイトル戦挑戦を決めた際、和服を用意する必要があった彼のために、三枚堂七段らが羽織と袴の代金を贈って大舞台を支えたという胸を打つ逸話もある。
良きライバルであり、かけがえのない親友同士が見せた名勝負に、ファンも「いいやつだ」「ほんわかエピ」「仲良さそうで草」「めちゃめちゃ仲いいやん」とほっこり。心温まるドラマを生み出しながらも勝負の場では非情に徹した佐々木七段だったが、最終的には北関東軍団が5勝2敗で決勝への切符を手にした。頂点を決める大舞台でも、彼らが織りなす盤上盤外の熱いドラマから目が離せない。
◆JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026 超早指しの『ABEMAトーナメント』と『地域対抗戦』が融合した新シリーズ。全国を6つの地域ブロックに分け、全8チームによって競う団体戦。各チームは監督1名とドラフト会議で指名された棋士4名の計5名で構成される。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出。試合は5本先取の9本勝負で、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。今大会より「先手番入札制度」を採用。対局開始前に持ち時間を「競り」にかけ、提示した時間がそのまま対局時の持ち時間からマイナスされる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)


