■地域の課題解決と「働きながら学ぶ」多様なキャリアパス
すでにアメリカや韓国で同様の奨学金制度を運用しているスターバックスが、日本でも導入に踏み切った背景には、地域に根差した店舗づくりを担える人材育成の狙いがあるという。
現在、全国に約2100店舗を構える同社では、栃木県上三川町での折り紙を使ったランタン作りや、神奈川消防署と連携した防災グッズ作りワークショップ、楽器の演奏が得意な従業員による琴の体験、沖縄県での三線体験など、地域の特性や従業員の特技を生かした多様な活動を展開している。
高橋氏は、こうした地域での取り組みを踏まえ、「これまで地域とのつながりを大切にしながら事業運営・店舗運営を行ってきた。一方で地域の課題に目を向けると非常に複雑化していて、難しい問題がそこには横たわっていると思っている。そういった地域の課題を解決していくためには、その地域で育って、地域で行動する方たちが必要なのではないか。そういった人材を育成していく必要があるのではないか」と奨学金制度の狙いを語る。
さらに、社会人の学び直しについては「学び直しやリスキリングは世の中で流行っていると思うが、働きに出てしまった後にそれをもう1回アカデミックに学んでいくことは機会が少ない。さらに金銭的な面でのためらいがある方は一定数いると思うので、広く社会人が学んでいくことに対しての良いカリキュラムができているのかなと」と述べ、金銭的・環境的なハードルを下げる意義についても指摘する。
中野氏は、この取り組みについて「社会人経験があってから大学に戻ってくる人は増えている。例えば『この1年間やってきていいよ』と、仕事をしながら大学院に堂々と行けるというのが広がってきていると感じる。それに加えて費用面でこういったサポートをしてもらえると、広がりを持ちやすい」と指摘。また、オンライン大学との連携についても「スターバックスはいろいろな地方にあって、地方もいろいろ実情が異なるとは思うが、そことオンライン大学の親和性も非常に良いのだろうなという印象」と話した。
海外では、子育てが一段落したら学び直しをするというケースもあるという。中野氏は「オンラインはかつては不登校の子に向けたものという側面もあったが、高校も多様化している。『高校を出たら大学に行く』ではなく、働きながら学ぶというように学びのあり方もいろいろ変わってきているのでは」と、今の時代ならではの学びのあり方について語った。
(『わたしとニュース』より)
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