決勝戦でも勝負のゆくえを大きく左右するのが、今大会からの新ルール「先手番入札制度」である。対局開始前に持ち時間を競りにかけ、提示した時間(マイナスされる)が多い方が先手番を獲得するというこの制度。持ち時間を削ってでも先手番を取りにいくか、あえて相手の出方をうかがうのか、対局前から高度な心理戦が繰り広げられる。極限の早指し戦において、タイムリミットが削られる緊迫の駆け引きは棋士たちの精神を大きく揺さぶる。両軍は予選でも対戦し、その際は中国・四国ナヴィセトスが5勝2敗で勝利しているだけに、北関東ブリッツァーズにとってはリベンジマッチという因縁も絡む。
大一番を前に、羽生監督は「予選から厳しい戦いが続いたが、決勝に進めて幸運だった。これから決勝戦ということで胸が高鳴っている。(中国・四国は)力戦派、個性派が揃っている。強いチームで予選でも負かされてしまった。決勝の舞台ということで、教訓を活かして戦っていきたい」と静かに意気込みを語り、糸谷監督も「緊張しているが、ベストなパフォーマンスができるように頑張りたい。(北関東は)突破力が高いチーム。再戦となるが、強いチームなので力を合わせて戦っていきたい。個人としても決勝まで行くことはなかったので、改めて挑む気持ちで戦っていきたい」と力強く応じた。泣いても笑っても、先に5勝を挙げたチームが2026年の覇者となる。極限のルールの中で生まれるドラマ、控え室の熱気、そして盤上で火花を散らす棋士たちの意地と誇り。真夏の将棋界を締めくくるにふさわしい、最高峰の激闘から一瞬たりとも目が離せない。

