■「3%はまだ通過点」か「そこまで加速しない」か
2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は、「10年物国債金利が2年で2%ほど上がったが、3%はまだ通過点だと思う」と述べた上で、アメリカと日本の金利上昇の性質の違いを指摘した。「アメリカはインフレが高く株も上がっているから景気を抑えるために政策金利を高くしている。日本は逆にみんなが国債を買わないし円もいらないから金利が上がっている。景気が良い国と良くない国で金利が近づいているわけで、アメリカと同じくらいの金利だから大丈夫というのは無責任だ」と語った。さらに、「元本保証で3%の国債があるなら、利回り3%以下のリスクのある株や不動産を買う人が減るリスクがある」と警鐘を鳴らした。
元モルガン銀行東京支店長兼在日代表の藤巻健史氏も「まだまだ通過点に過ぎない」との立場をとる。「1980年には10年金利が11%くらいまで行っている。1985年に先物市場ができた当時、10年金利は6%が常識だった。現役のトレーダーは高い金利を経験していないから3%を高いと思うが、長い目で見れば全然低い」と述べた。上昇の根本的な原因については、「2013年の異次元量的・質的緩和において、日銀が長期国債を一時600兆円規模まで買い入れ、人為的に金利を極端に低く抑えてしまったことにある。今は520兆円程度まで減らしているが、完全な出口に向かうためには、これを減らさないといけないし、そうすれば金利はとんでもなく上がる」と説明する。
一方、第一ライフ資産運用経済研究所の首席エコノミストである永濱利廣氏は「金利がとめどなく上がっていくとは考えにくい」との見方を示した。「足元では日本の金利だけでなくむしろ海外の金利が上がっていて、イラン情勢の緊迫化に伴う世界的なインフレ懸念やAI関連大企業の大規模な社債発行によるアメリカ金利の上昇に引っ張られている部分がある。日本の財政を懸念する向きもあるが、(国の信用リスクを示す指標である)クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を見ると下がっているので、財政要因はそんなに大きくないと思っている」と述べた。また、「政策金利の中立水準はその国の経済の強さでだいたい決まってくる。残念ながら日本経済はあまり強くないので、政策金利の水準もなかなか上がりにくい。べらぼうに上がっていくのはちょっと考えにくい」とも語った。
経済学者の柿埜真吾氏も同方向の見解を示す。「今の日本のインフレ率はだいたい2%程度で、名目経済成長率も4月から6月は年率4.8%だった。その状況を考えれば3%が極端に高いとは言えないし、市場金利が上がったからといってすぐに全体の金利が一気に上がるわけでもない。物価上昇がそんなに加速している状況には今ない。インフレがとめどなく加速していくというのはちょっと大げさだ」と述べた。
■日銀の国債保有残高と財政をめぐる論点
