■市場任せにできない理由…「山間部の農地」が担う役割とは
議論は、日本の農業が抱える構造的な問題にも及んだ。柿埜氏が「経営のコストを下げるには大規模化すればできるのに、政府がそうならないように支えている」と指摘したのに対し、現場の実態を交えた反論も飛んだ。
ひろゆき氏は「机上の数字だけで考えた場合には言えるかもしれないが、大規模な農地が作れない山間地の人たちが全員耕作放棄したら、土砂崩れも起きるし動物も出てきて、平地の大規模な田畑の生産性も下がる。山間地の生産性の悪いところがなくなっても成立するというのは机上の空論だ」と指摘。
常本氏もこれに同意し、「中山間地は基本、山の裾であり、機械化も大規模化もできず生産効率が低い。しかし『田んぼダム』という形で土石流を防ぎ、里山を守る努力をしている方には別の補助金を出すべきだ」と語った。
さらに藤松氏は、離農による過疎化への懸念について、「過疎地がどんどん増えると、獣害などの問題が起こる。そうすると日本の自然が失われ、米作りから生まれた町や村の文化や祭りも全部失われてしまう」と、単純な経済効率だけでは測れない農業の多面的な価値について訴えた。
また、ひろゆき氏は現在の農業が直面する現実について、「中山間地で先祖代々続いているものを、安い給料やほとんど売り上げがない中で高齢者の方々が続けてくれているから、今の日本の農業は成立している。これを誰かにやってもらおうとすれば年収800万円は払わないとやらない」と現状のいびつさを指摘した上で、「若い人もちゃんと儲かるようにしないといけないのではないか」と述べ、持続可能な農業モデルへの転換の必要性を提起した。
(『ABEMA Prime』より)

