大学入試のため?「AI生成メールで薄い内容」「かなり負担」高校生の問い合わせ増で企業困惑…背景に“ボランティア等しないと受けられない”総合型選抜入試の“実績作り” 翻弄される学生も

わたしとニュース
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■「ゲーム」と化す入試制度は「本末転倒」

 こうした現状について、東京大学大学院教育学研究科の中村高康教授は、「少しでも自分の希望に近いところに入りたいのは当然のことで、制度の建て付けがこうなってしまっているから発生している」と分析する。

 「いろいろな面を評価して活用するのはもちろんいい面が多いが、ただ入試の制度に突っ込んできた時に別のゲームに変わってきた。日本の入試の結果が社会の中でいろいろな評価に結びついている厳然たる現実があって、そこがそのままの状態で入試だけ理想のものをくっつけていっても、結局そこで点取り競争が始まる」と指摘した。

 浜田氏も、「ボランティアや地域活動は、本来本人の興味関心が先にあるべきもの。入試で受かるためにやるというのは本末転倒であり、それを評価材料にされるのも本来は違うのではないか」と中村氏の意見に同意する。

 現在、大学入試には一般選抜のほかに総合型選抜や学校推薦型なども増え、時期もそれぞれ異なる。高校によっても指導方針が異なり、進学校などでは一般入試を推奨されることも多い。

 実際、浜田氏の子(大学2年生)の際にも、三者面談で総合型選抜の可能性を模索したものの、高校側から一般入試を勧められたという。「そうすると、どこの大学がどのような入試を行っているか、本人と親とで情報を集めないといけない。結局、学校のサポートもないので諦めて一般入試を目指すことにして、塾などでコツコツと対策を続けていたが、たまたま指定校推薦の枠が取れたのでそれで合格した。そうした経験から、総合型は情報戦であると感じた」。

 2025年の大学入学者を選抜方法別に見ると、国公立大学では一般入試が4分の3を占め、総合型は7%台にとどまるが、私立大学では総合型が2割強を占めている。中村教授によると、一般選抜以外が増えた背景には、少子化で受験生が減少する中、大学側ができるだけ早く優秀な学生を囲い込みたいという狙いもあるという。導入したメリットとして、文科省の大学への調査によると「アドミッション・ポリシー(求める学生像)にかなった入学者を選抜できた」「学力検査では選抜できない資質を持つ学生を選抜できた」などの声も上がっている。

 しかし、浜田氏は受験対策がビジネス化している側面を指摘する。「入試制度になった途端に対策が生まれ、塾ビジネスが誕生する。子どもは総合型選抜に落ちた場合に備えて一般入試の対策も並行しなければならず、二重の負担を強いられることになる」。

 塾などでは“実績作り”の画一的な指導が行われる現状もある。これには「本来は、大学側は多様な学生を取りたいはず。学生が本来持っている興味関心が活動に結びついていかないといけないのに、入試の対策となったら『こういう実績の方が受かりやすい』と型にはめられてしまうのではないか。それで本当に取りたい学生が取れるのか」と危惧した。

(『わたしとニュース』より)

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