■仕事を人生の軸に置きながらライフも充実させる「ネオバリキャリ」の3つの要素
この「ネオバリキャリ」を提唱したのが、元TBSアナウンサーで、現在は女性キャリア支援事業「株式会社NewMe」のCCOを務める笹川友里氏だ。笹川氏は、「私たちが起業して3年になるが、そこから今の女性像、女性の働き方を研究し続け、話を聞き続けた結果、この『ネオバリキャリ』という言葉に行き着いた」と着想の経緯を説明。
ネオバリキャリの特徴として「人によって千差万別ではあるが、基本的には仕事を人生の軸に置きながらキャリアと生活の両方を充実させていきたいという考え方」としつつ「従来の『バリキャリ』という言葉が、仕事を最優先にしている人という印象を持たれがちだったのに対し、ネオバリキャリは仕事を軸にしつつもライフも充実させたいという人。そういうどちらにも全力な人が今のキャリアウーマン像としてマジョリティーになっていると認識している」と解説した。
笹川氏は、ネオバリキャリを体現する女性の共通点として、以下の3つの要素を定義している。
1. 仕事を人生の軸に置いている:キャリアを自己実現の手段にしている。中長期で仕事を続けるつもりでいる。
2. ライフを犠牲にしない設計:育児・介護・趣味ををキャリアと引き換えにしない。自分に合った働き方などを主体的に選ぶ。
3. 選択を他人任せにしない:転職も働き方も休むタイミングも自分の価値観で決定する。
笹川氏は「私たちが3つの要件を一方的に定義したわけではなく、3年前から様々な人にお話を聞く中で、共通項をまとめると見事にこの3つだった。地方に住んでいる方など地域差はあるので人によるとは思うが、この3つを意識している方がすごく多い印象がある」と語る。
この定義に対し、川口氏は「こういった人が増えてきていると実感する。様々な女性を取材する中でもこうした像を目指している人や、20代、就活中の女性でもこのように自分の人生やキャリアプランを描いている人が多い」と指摘する。これを受けて笹川氏も、「20代の方と話していると、コロナ禍を経たこともあり、非常に現実的な思考の方が多い。就職活動の段階で、30代頃にライフステージが変わることを見越して、将来像を自分で設計したいという方が多い印象だ」と述べ、若い世代が主体的に将来設計を行っている現状を語った。
一方で川口氏は、自己決定の重要性を認めつつも、「これが全て実現できていたら本当に素晴らしい世界だが、実現できないからといって、自己責任的に自分のせいにしたり、自分の内面に要因を引き受けすぎてしまったりすることが起きないといいなと思う」と、理想と現実のギャップに対する懸念を示した。
「100%は無理でも、自分で決めたことなら納得できる」共感する女性
