■「子どもを持たない理由の説明って必要ですか?」
自身の著書で同じく志田さんへの取材を行った月岡氏。志田さんの考え方に理解を示し「子どもが好きとか嫌いという点と、自分が身体を使って子どもを産んで責任を持って育てていくという選択をするかどうかは、同じに見えて実は全然違う。身体の自己決定をどうするかの話とはまた分けて考えた方がいい」と述べた。
さらに、子どもがいないことを他人に説明することの難しさについて、取材を振り返りこう語る。「私も自分がどうしてそういうことを考えるのかを言葉にしたいタイプなので、それを本を書いたり自分の中で整理したりする。ただ、志田さんの『理由ってそんなにちゃんと必要ですか?』という言葉に目から鱗が落ちた。結婚して子どもを産むというルートが王道とされる中で、その王道ではない道を歩む人には理由の説明が求められやすい。だから当事者も頑張ってそれっぽい理由を説明しようと思ってしまうが、子どもを産んだ人だって『こういう理由で産みました』と一言で言えることではないのでは」。
さらに、子どもが好きか嫌いという観点についても言及。「『子どもは嫌いではないが、持とうと思わない』と私は正直な気持ちとして説明するが、逆に『子どもが苦手』ということはなかなか言いづらい。特に女性だと、子どもが苦手・嫌いと言うと『この女は情がないのか』と見なされがち。そういう理由で子どもを持たないという方も本の中で取材している」。
その上で、「いろいろな理由を持って子どもを持たない人がいるということが、まだ世の中にあまり出てきていない。語りづらいテーマでもあるため、『子どもを持たない人ってこういう感じ』と画一的なイメージを付与されがち。しかし、話を聞いた11人の子どもがいない方たちは、様々な理由や背景、今の気持ちを持っていた。決して一括りにできないという理解がもう少し進むといいなと思った」と述べた。
生き方の偏見・分断・順位づけを超えて「何が大事かは人それぞれ」
